小池清通氏作


コロラド州のHOG(ハーレー・オーナーズ・グループ)デンバー・チャプ ターのあるフリーダムハーレー(ディーラー)とアドルフ・コアーズ社(日本 でもお馴染み?の当地のビール会社)そして、ローカルのフォックス(ラジオ 局)が提携して開かれたミーティングに顔を出した。美女?のミス・コアーズ とやらも来るらしく、また、ブラックのFXDWGが景品に出されていると言 うことで、いつもの、仲間で食べる朝食も、一部のメンバーには夢見るような 思いがあったに違いない。


待合せは土曜日の朝9時にオーロラ市(デンバーの西にある市)の、あるイタ リアンレストランでである。愛称「シュワルツネーガー」のリッチが彼女(未 公表だが今春に結婚するらしい)を連れて94年式FLSTNで(彼のナン バープレートは「MYPAL」。フランキーが初代のFXBスタージス、ケン が92年式FXDC、トム(シーズンになると頭を剃る50男)がFXDWG に珍しくおかみさんを乗せて、ボブが彼女のデビーと94年式FXSTSで、 ロンは94年式FLHR、いつものように遅れて到着したハリー(別名ダー ティーハリー:彼は滅多に愛車を洗って乗って来ないため)が95年式 FLHRで。私は、異色を放って95年式ビュエルS2サンダーボルトにて集 まった。


朝食後、リッチを先頭にして集合場所のフリーダムハーレーへと向かう。この ビュエルはその見かけのデザインだけでなく、またスポーツターのエンジンを ベースにしているという事だけでなく、ともかくビッグツインのエンジンキャ ラクターとは全く違ったセッティングになっている為、私には、前を走る仲間 達が矢鱈と遅く感じてしまった。馬力こそ日本車のスーパーバイクとか呼ばれ るものほどないが、その図太いトルクは股間をくすぐるものがある。もちろん ビッグツインのそれとは違う、少しながら浮気心をくすぐられるような振動で あるが、この前傾のポジションは胴長の私には、特に、長距離走行を考えると かなり無理があるような気もする。矢鱈と効く(ように思える)フロントブ レーキに比べ片足立ちになって力一杯踏み込んでもロックしそうにないほど効 かない(ように思える)リアブレーキのコンビネーションは久しくこの手のス ポーツバイクに乗っていない私には抵抗がなかった訳ではないが、へんてこり んなハーレー感を持った、へんてこりんなスポーツバイクと、一人いつもと 違った振動を股間に感じながら、楽しみながら良く回るエンジンを時々発作的 にオープンしながら目的地に向かった。こいつは荷物の積載スペースがあると ツーリングにも使えそうである。


フリーダムに着くと、既に駐車場を溢れでて裏通りの路肩に群がる100台を ゆうに越える仲間達が、思い思いの出で立ちで寛いでいた。型どおりという か、取り敢え、店の中を見て回り、知っている連中と挨拶を交わした後、コ アーズ(クアーズと言う人もいるが)本社工場へと向かった。この工場は単一 工場の規模としては世界一と言われており、大手のアナハイザーブッシュ社に 全体の規模ではかなわないものの、一つのランドマークのようにもなってい る。


工場の敷地内の駐車場を通り抜け、工場のメインビルディング入口前に来ると フォックスラジオのマスコットの大型バルーン人形が親指を上げて待ちかまえ ていた。ここでも駐車場所に苦労し、結局、特設?のサイドヲーク(路肩)に 何十台も連なる列に加わった。


名前を書き込んで押し込んだ申し込み用紙をディスクジョッカーの某氏が 100枚ほどのグランドウイナー候補を引出し(我ら仲間からは誰も選ばれな かった)、夢の破れた我々の前でいよいよ抽選の儀式が始まった。仮設のス テージに乗せられたブラックのダイナ・ワイドグライドにミス・コアーズの金 髪のおねーちゃんがキーを入れイグニッションがオンになることを確認した 後、同型の丸型「はずれ」キーが99個入っている抽選箱に、その鍵を入れ た。幸運な100人が列をなし、一人一人フォックスの某氏に名前を紹介させ られながら、キーを箱から選び出し、イグニッションに入れて回そうとするが 回らず、苦笑いをしてステージを下りて行った。が、半分ぐらいになった頃に ある女性が幸運のキーをひねった。余りの嬉しさにか、それとも単に無知な為 かステージの上でこの新車のワイドグライドをフルスロットルで数分間吹かし 始め、当たらなかった連中のひがみがあったかどうか分からないが、他の参加 者も口を開けて呆れてしまった。変なエンディングであったが面白い一日を過 ごさせて戴いた。


ハーレー乗りにもいろいろなキャテゴリーがあり、その中で、アメリカでも、 類は友を呼ぶ方式で、幾つかの色彩の異なるグループが出来ているのは興味あ ることである。当地ではベトナム戦争を経験している40代を中心にしている 方でハーレー乗りが結構多く、私のような「外国人」はどうしても入り得ない 特殊な団結を持っている。決して彼らも偏見を持っている訳ではないが、私な どはとても想像もつかない、生死の境目を生き抜いた方々の団結を見る思いが してならない。アメリカ文化とハーレー文化の一面でもある。勉強になる。