夕日
あたし、夕日が嫌いだわ

彼女は言った

だって、これから真っ暗になる前触れでしょ?
あたし、暗いのは怖いの
もうすぐ暗くなると思うと
夕日をじっと見ていることなんてできやしないじゃない
ねぇ、そうでしょ?

そうかな?

ぼくは夕日が好きだよ

彼は答えた

だって、綺麗なオレンジ色をしているだろ?
ぼくはあの色を見ていると
とてもあたたかな気持ちになる
とても穏やかで優しい気持ちになれるんだよ
そう思わないかい?

そうかしら?

彼女は考えた

これから来るであろう未来を憂うのはいけないことかしら?
いいえ、決してそんなことはないと思う
でも、彼は今ある現在のすばらしさを尊いと感じている
いままでそんなこと考えたこともなかったわ・・・

彼は考えた

今現在のことだけを考えて生きることは簡単だ
ぼくは単純に今を生きていくことしかできない
でも、彼女はその先の未来を見つめて鋭く感じている
そういう考え方や感じ方をしたことなかったな・・・

そして
彼女は再び言った

今、この夕日のオレンジ色を
あなたと一緒ならきっと美しいと感じられるかもしれないわ
そう
あなたと一緒なら

そして
彼は再び答えた

あぁ、ぼくもこの夕闇に近づく夕日を
きみと一緒ならこれから来る闇夜に感じられるかもしれない
でも
きみと一緒なら
その闇夜もきっと怖くはない
大丈夫
二人一緒なら
きっと・・・

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