その猫に出会ったのはおそらく偶然
ふと窓の外を眺めると
まるで私のことを待っていたかのように
その猫は私に語りかける
いつの間にか
そういつの間にかその猫は
私の心の中に入ってきていて
たぶんでもこれはきっと必然
それから決まってその猫は私の部屋を訪れ
あっという間に私の一部になった
まるでずっと前からいたかのように
その猫は私の部屋にいる
変わらない毎日の繰り返しを
それまでは嘆いていた私に
変化をもたらしたのがこの子
新しい生活を楽しむ自分がいた
この子がいるから
この子がいるから私は頑張れるんだ・・・
次第にその存在が当たり前になり
毎日が楽しく過ぎていく
こんな日々が続くと思ってた
こんな日々がずっと続くと思ってた
おそらく今だからそう言えるけれど
その時は先のことなど何も考えられず
いや考えようとはせず
その日その日を過ごしていただけだと思う
けれど楽しい時間は
あっという間に過ぎてしまうように
その子との時間もきっと・・・
私はその部屋を出なければならなくなった
引っ越さなければならないのだ
それは突然でいて
以前から着々と私に忍び寄ってきていたのだろう
私にはそれを真正面から受け止めることが
とてもできなかったのだ
この子を一緒に連れて行くことはできたかもしれない
しかしそれでこの子は幸せだろうか
この子がいないところで私は
生きていけるのだろうか
考えることを遠まわしにしていたのだろう
だからきっと突然だった
「犬は人に付くけれど猫は家に付くのよ」
誰かが言った言葉が頭に浮かんだ
あの子はどうだろうか
やはり私がいなくなったあの部屋に
今日もふらふらとやってきては
またどこかへ去っていくのだろうか
何事もなかったかのように
そう思うと私は少しだけ救われる気がする
あの部屋に新しい住人が現れれば
またあの子はその住人に新しい生活を与えるのだ
それがあの子の使命であるかのように
そう考えることで
私はこれからも生きていける
そう
あの子に出会えたから
あの子がそばにいたから
私はここまで生きてこられた
だから
あの子に出会えたことに
あの子にもらった楽しい時間に
ありがとうと言って
これから
私はしっかりと歩いていける
生きていくことができるのだ
ほんとうにありがとう
ありがとう