距離と速度
あんなに近くに見えていたあなたの姿が
今はもうはるか彼方にしか見ることができない
たとえ2人の歩く速度が違っていたとしても
1人は歩を弛め
1人は歩を速め
お互いを思う心で2人は繋がっていたのです
けれど、今
遠くに見えるあなたの背中を追いかけるわたしは
きっと
もう追いつくことを諦めてしまっているのでしょう
こんなにも
2人の間に距離ができてしまったのだと
こんなにも
お互いを思う心がなくなってしまったのだと
思い知らされて
それでも歩いている2人
ふと
出会う前の2人のそれぞれの速さなのだなぁと
まるで他人事のように感じられた瞬間
どんどんと
遠ざかるあなたの背中を見つめながら
ゆるゆると
それでも付いて行こうとするわたしを
適当な距離を保つために
立ち止まり
振り返る度に
あなたが
ふぅと吐く溜め息は
まだ少しだけ残っていた
あなたの愛だったのかもしれない
けれど
その溜め息の数だけ
わたしの心が重く重くなっていったことに
あなたは気づくことはなかったのです
いいえ
たぶんあなたは気づかぬ振りをしたのです
それが
わたしとあなたの間の
長い長い
もう埋めることのできない
距離
なのですね
お互いに
もう合わせることのできない
速度
なのですね

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