見習い天使の仕事
まだ見習いの天使がいました。
見習いの天使のお仕事は、お花にお水をあげることです。
お花は地球の人間一人一人に咲いています。
それぞれがそれぞれのお花を持っているのです。
人間には見えないけれど、お花を持っていない人間はいないのです。
見習いの天使はそのお花のお世話をしているのです。
慣れない手つきで仕事をするその天使に神様もひやひやです。
けれど、懸命に仕事をしているその天使の姿に神様はとても嬉しくなりました。

ある日、その天使が担当する所の女の子のお花が枯れそうになってしまいました。
それは見事な向日葵の花を咲かせていた女の子です。
天使はたいそう悲しみました。

	僕のお世話が足りなかったのだろうか?
	僕がお水をあげ過ぎてしまったのだろうか?

その時、神様が天使に言いました。

	お前の所為ではないのだよ。
	きっと今、その子はとてもさびしいのかもしれないね。
	お前が心を込めてお世話をしてあげたら
	きっとその子もその花も元気を取り戻すだろう。

天使は泣きはらした目を擦りながら、神様に言いました。

	僕は、きっとあの子の向日葵をもう一度咲かせてみせます。

それから天使は懸命にその子のお花のお世話をしました。

	早く元気になってね。きれいなお花を咲かせてね。

それはそれは心を込めてお世話をしたのです。

するとどうでしょう。
その子の向日葵が、再び大きな花を咲かせたではありませんか。
女の子も元気に走り回っています。
天使は嬉しくて嬉しくて仕方がありませんでした。

	よかったね。元気になって、よかったね。

天使は神様にそのことを伝えに行きました。
すると、神様は顔をしわくちゃにして喜びました。
そして、その天使に向かってこう言いました。

	人間はそれぞれにそれぞれの花を咲かせる。
	たくさんの花を咲かせる人もいれば、
	たった一つだけ綺麗な花を咲かせる人もいるし、
	長い間花を咲かせ続ける人もいれば、
	ほんの短い間しか咲かせることのできない人もいる。
	けれど、その花の命は始めから決まっているものではないのだよ。
	地上の花は、太陽の光や水、土の養分、
	その他にもいろいろな恵みを受けて生きているだろう?
	人間の花だってそうなんだよ。
	その人の心次第でその花の命も変わっていくんだ。
	お前はそのお手伝いをしているに過ぎない。
	いくら頑張ってお世話をしても枯れてしまう花もある。
	そのことはきちんと覚えておきなさい。
	けれど、天使は諦めてはいけない。
	いつでも希望を持ってお世話をしていかなければいけないのだ。
	わかったかい?

天使は大きく頷いて「はいっ」と元気に返事をしました。


まだまだ見習いの天使だけれど
これからも希望を持って仕事をして
いつか立派な、一人前の天使になるんだと
その時、天使は思いました。



いつか

あなたの花が枯れてしまいそうになった時

きっと

天使があなたのお手伝いに来てくれるでしょう

そう

あなたが希望を捨てない限り

そして

天使は笑顔でこう言うのです

	よかったね。元気になって、よかったね。

と・・・。

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