福島県鮫川村産 ザクロ石(長径 約1.5cm)
本産地では硬質な石英塊に径5cm前後のボロボロなザクロ石が入っているのが観察されました。
この標本は小さな晶洞に産したもので、あばた顔ながら端正なザクロ石であることを主張しているかのようです。
美しいうぐいす色の標本で、十二面体から斜方二十四面体の集形をしています。故長島乙吉先生の発見に至る逸話が 残されています。
愛知県設楽町田口鉱山産 満礬(まんばん)ザクロ石 Spessarutine (標本の幅 約2cm)
黒いネオトス石に埋没したものは、透明感のある美しい結晶です。この標本は結晶のサイズが1〜2mm と小さいですが、かつては1cm近いものもあったそうです。
山ノ尾はザクロ石で有名な産地ですが、細かな雲母で充填された晶洞から、結晶面・透明度とも良好な、宝石と呼ぶにふさわしい素晴らしい標本が得られたことがありました。
黒くて見栄えはしませんが、石英を挟んで下半分が24面体、上に小さな12面と24面の集形が組合わさったおもしろい標本です。
山道を散策していて前を歩く人の足下にキラリと光ったものがこれで、偶然見つけたものです。
誰もがあこがれる、山ノ尾産ザクロ石の標準的な大きさです。
晶洞に産するものは、稜にある「えくぼ」状のくぼみが特徴です。微少サイズですが長石の上に仲良く
寄り添い、まるでブローチのようです。
直径5oくらいまでのアメ色をした集合体で、針状のベスブ石、小さな灰重石などを伴っています。
方解石に接して産するものは、方解石をていねいに取り除くと、きれいな結晶面が現れます。
国産標本としては、最も美しいザクロ石と言えましょう。
日本産とは思えない美しい緑色が特徴です。残念ながら、産地は建設残土捨て場として埋め立てられて
しまいました。