一般的には六角形ですが辺の大きさは変化が多く、正六角形に見えるものはなかなかありません。しかし、それぞれの角の角度は一定で、120度となっています。
@ 変化その1、一つおきに大小が変化 宮城県白石市雨塚山産
この例は、辺の大きさが一つおきに変わっているもので、紫水晶によく見られるようです。変化が顕著な場合は、断面が三角形に近くなります。
A 変化その2、一組の対辺のみが大きい 茨城県真壁町山ノ尾産
向かい合う辺が大きいわけですから、当然平たくなります。少し分かりにくいかも知れませんが、結晶の両端に小さな面がそれぞれ2面ずつ見え、平らな面とあわせて六つの角と面が確認できます。
B 変化その3、対角の2辺が大きい (上)山梨県甲府市産、(下)茨城県真壁町山ノ尾産
このような場合、断面は菱形(ひしがた)や平行四辺形となります。上のものは菱形に見えます。
下の写真は、かなり苦しいかも知れませんが、平行四辺形です。
【2】 両頭結晶(結晶の両端に尖った部分がある) (左)岐阜県福岡町福岡鉱山産、(右)岩手県陸前高田市玉山金山産
この形は水晶の理想型として説明されています。産地や晶洞(ガマ)によって、一度にたくさん見つかることがあります。
【3】 平行連晶(複数の水晶が同じ向きに並んで結晶したもの) 岐阜県福岡町高山産
尖った頭が3っつ見えます。少し分かりにくいのですが、これらの水晶はそれぞれの結晶の方向が同じになっています。
頭の方がいくつかに分かれていても、根本が1本の水晶となっているものも見られます。
【4】 日本式双晶 長野県川上村大深山鉱山産
水晶の産地はたくさんあるのですが、どこでも双晶が出るわけではなく、特定の産地だったり、狭い範囲に集中する特徴があるようです。
日本の名前が付いたこの結晶を、手元に一つは置きたいものです。
【5】 食像?骸晶? (長野県麻績村四阿屋山産)
食像は、結晶形とは無関係のように思われますが、腐蝕によって現れた面もまた結晶によって左右される自然の形なのです。
標本によっては食像なのか骸晶なのか、判定の難しいものがあります。
特集「水晶」の3回目はいかがだったでしょうか。
この特集は、あと2回続く予定です。