そんな人たちとともに歩き、出会えたヒスイを紹介しましょう。
小さいものですが、気に入っている標本の一つです。白地に鮮やかな緑のコントラストがとても美しく見えます。
緑色をイメージしてヒスイを探しても、ヒスイ自身そうたやすく見つかるものではありません。高波や足もとに気をつけながら一日中海岸線を歩き回って、やっと1つ見つけられるかどうかの確立のようです。
写真のように白色のものでも、鉱物としての「ヒスイ輝石」には変わりありません。
やっとの思いで見つけたヒスイの地色がたとえ灰色をしていても、緑色が少しでも入っていればうれしくてたまりません。標本を見ると、そんな時の「鳥肌が立つ」ような感激がよみがえります。
あるときは、1時間位のうちにたくさんのヒスイに出会うことができました。緑色がたくさん入ったもの、小さいが磨かれてピカピカになったもの、ほんのり紫色の「ラベンダーヒスイ」などでした。
右の写真はその中の一つ、「ラベンダーヒスイ」です。一部に淡い緑色も入っています。
色はややくすんでいますが、厚みがほぼ一定した扁平な標本です。
縄文時代にこのようなものを見つけると、「大珠などに加工できないか...」などと思案したことでしょう。