Tabaの鉱物標本箱


2〜 3月の特集

「電気石の頭」



特集9902-01

 前回特集した緑柱石と同じように、電気石の端面にも特徴的な結晶面が見られます。
 結晶面がきちんとしているものを、マニアの間では「頭(あたま)付き」と呼んでいます。



岩手県三陸町崎浜産
 「電気石」

特集9902-02

 よく見る電気石の頭です。この形を、あるマニアは「ベンツの頭」と呼んでいます。
 頭をてっぺんから見ると、高級車「ベンツ」のマークに似ているので、そう呼ぶのもうなずけます。



福島県石川町産 
 「電気石
(直径:左 2.2o 右 1.0mm)

特集9902-05

 こちらはベンツ形の稜線部分に面が現れたもので、この産地では時たま見られるものです。
 しいていえば、「三ツ矢形」でしょうか。



岩手県三陸町崎浜産 
 「電気石」

特集9902-03 特集9902-04

 ベンツ形の先端が平らになったものも見られました。
 左は2本の軸が束になったもので、小さな三角形も二つ見えます。右のものは、三角形が端面いっぱいにまで大きくなったものです。
 どちらも電気石としては珍しい形と言えるでしょう。




 電気石はとてももろく、たいていは風化してボロボロの状態で見つかるため、端面まできちんと取り出すのがとても難しい鉱物です。
 また、標本の取り扱いにも細心の注意が必要です。