端部に現れる結晶面のうち、柱に直角な端面そのものを「c面」と呼び、このほか端面周囲の角に「s,p,o」で表す小さな面が現れることがあります(このほか、d,u,γ等)。これらは単独で現れたり連続したり、また、大小の変化や部分的に現れなかったりと、判定に苦しむものがあります。
難しい結晶面の話は専門家にお任せすることにして、ここでは形の変化を見ていただけたらと思います。
端面がきちんとした結晶はなかなかありませんが、左の標本では平らなになっています。しかし、平らな面だけのものは石英脈中に産するものには普通ですが、晶洞産のものには少ないように思われます。
右のものは、端面周囲の柱の角と、端面が交わるところに小さな結晶面が現れています。
左は、柱面と端面が交わる部分に結晶面が現れたものと思われる標本ですが、周囲の食像によってやや分かりにくくなっています。
右は、柱の角と柱面に現れるもの2つが交互に連続しているもので、端面の縁をぐるっと取り囲んでいます。
このような形のものは何とも可愛いらしく、「頭が多面体」とか「はちまき付き」などと、親しみを込めて呼ぶ収集家もいます。
少し分かりにくいのですが、左は「c,s,p,o」と見られる各面が現れた、多面体形の標本です。
右は尖った形をしていますが、結晶面とみられる面(γ面?)と食像で構成された、おもしろい標本です。
以上のような端面がハッキリした標本は、残念ながら希にしか見つかりませんが、鉱物ショーなどで外国産の素晴らしい標本をよく目にしますので、手頃なものを買い求めて観察してみてもいいでしょう。