Tabaの鉱物標本箱


10〜11月の特集

「山ノ尾産緑柱石(晶洞タイプ)」その1



 山ノ尾では、ザクロ石のほか緑柱石も産出し、これを求めてやってくる採集者が後を絶ちません。
 2号ズリからは一時かなりの数の緑柱石が見つかりましたが、石英脈中のものと晶洞中のもの(以下「晶洞タイプ」と呼ぶ)がありました。
 晶洞タイプには、ガラス質で透明なものがあり、宝石を思わせる美しさがあります。



茨城県山ノ尾産
 「緑柱石
(結晶の大きさ7o×17o)」、「緑柱石(晶洞タイプ)(4o×13.5o)

特集9810-01 特集9810-02

 緑柱石といえば、左の写真に示す石英中のものが一般的ですが、ひび割れが多くにごって見えます。これに対し右の晶洞タイプは、ガラス質で透明度や光沢が良い特徴があります。




茨城県山ノ尾産 「緑柱石(晶洞タイプ)」(左:5o×13.5o)

特集9808-mariakanon 特集9808-pakiaqua

 晶洞タイプの緑柱石ができたばかりの時はきちんとした結晶だったのでしょうが、2号ズリでは溶けたものしか見つかっていません。
 比較としてパキスタン産緑柱石の一例をあげましたが、違いが分かると思います。
 左は、観音様ともマリア様とも見えるありがたい標本で、きちんと箱に入れ大切に保管しています。



茨城県山ノ尾産 「緑柱石(晶洞タイプ)」(6o×18o)

 特集9810-05 特集9810-06

 山ノ尾産の晶洞タイプ緑柱石は色が淡く、ほとんど色がないように見えますが、右に示したように、同じ結晶を軸の方向から見ると濃く見えます。



茨城県山ノ尾産
 「緑柱石(晶洞タイプ)」
(左:10o×11o)、(右:9o×19o)

特集9810-07 特集9810-08

 晶洞タイプの緑柱石といっても、実は全てが透明できれいなものばかりではありません。濁ったものや、溶蝕が進んでガサガサになったものもあります。数的には透明なものとほぼ同じくらいの割合で見つかりました。