外見は、淡褐色から褐色、またこれに緑色を帯びたものがあり、四角柱の頭が斜めに4面とれた結晶形がわずかに見られます。集合体でも大きくて1p位までであり、とても地味な鉱物です。
転石から得られたものは非常にもろく、左の写真のように母岩から外れてバラバラになってしまいました。右の写真のように、しっかりした長石に入ったものはわずかでした。
これは変種ジルコンによく見られる特徴の一つで、放射状の集合体です。
ここの変種ジルコンは放射性がかなり強いように思われ、この程度の集合体でもガイガーカウンタが良く鳴ります。もっと小さな結晶の場合はカウンタの反応も今一ですが、たくさん集めると恐ろしいくらいに反応します。
私のガイガーは、秋葉原の秋月電子で販売されているキット(大きい検知管のタイプ)に手を加えて組み立てたものですが、フイルムケースの底に深さ5o位集めたもので試してみると、毎分2,000カウントを越えてしまいます。
放射性鉱物の危険性についてはハッキリしていないようで、聞く人によって「危ない」、「全然心配ない」などの答えが返ってきますが、いずれにせよいい感じはしません。私は鉛のケースに入れて、生活エリアから隔離して保管することにしています。
なお「フイルムケースに保管した場合、中にラドンガスが溜まるので注意した方がよい」というご忠告をいただいたこともありました。
(左の拡大)
変種ジルコンは単独でも産しますが、しばしばコルンブ石に伴います。写真のものは、別の石切場から産出したものですが、白い長石中にザクロ石を核として放射状に成長した、コルンブ石の根本近くに入っているものです。コルンブ石を見つけたら、その周囲を良く探すと見つかることがあります。