これまで見てきた標本では、くぼみは結晶の稜線沿いの十字路一つおきに現れる特徴を持っています。また、くぼみは稜線にも見られますが、不思議なことにえくぼから伸びる十字方向の稜線にしか見られません。また、まれにえくぼ部分に月面クレーターのセントラルピークや、火山の中央火口丘を思わせるような、牙状の突起を持つものがあるのも興味深い特徴と言えます。
これらは小さなザクロ石のほんの一部分の特徴ですが、一度これに注目すると観察する楽しさが増すことでしょう。
なお、これらのくぼみや突起は触像と思われますが、詳しいことは調べていません。
稜にえくぼ状のくぼみを有する、山ノ尾2号丁場産ザクロ石の典型(晶洞タイプ)。
稜線の十字路は必ずしも一点に交わるわけはなく、大抵ズレています(細かく見ればY字路の連続)。このズレが大きいとえくぼも変形し、長方形に見えます。えくぼの縦横比が2を越えるものはなかなか見つかりませんが、写真のようなおもしろい形になります。
えくぼ部分には、まれに牙状の突起が見られ、突起が複数ならんだものも見つかっています。