岐阜県大垣市金生山産 方解石(結晶の高さ:約 5cm)
犬牙状を示す大型の結晶です。この標本は頭が平らに見えますが、明瞭な三角錐を示すものも見られます。
岩石の割れ目を充填するように成長したものと見られますが、空隙には腎臓状の部分や細かい水晶の結晶面が見られ
ます。
赤褐色に着色していますが、表面から少しだけです。
関東北部の縄文遺跡から出土した同じ色調のヤジリを見たことがありますが、この周辺の原石を用いたのでしょうか。
粘土脈より産したものには結晶面が見られることがあります。
右の淡い青緑色の標本は蝕像や欠けがありますが、六面体をしています。
紅柱石は断面が菱形の四角錐が集合し束状となっていて、母岩と接する部分は白雲母などに変質しています。
鋼玉は変質部中に散在し一見黒色ですが、拡大してみると鮮やかな紺色の部分があります。
どんなに小さくても「サファイア!!」と言いたくなります。
鉱山の捨て石から見つかるのは図鑑などで目にするものとは違い、酸化し黒変した状態です。
回りの石もほとんど同じ色ですから、見分けるのは大変です。
真っ黒な捨て石を割り、このような美しい結晶が現れると、うれしくてたまりません。
たいていは黒色〜黒褐色のネオトス石に埋没しているのですが、この標本ではクリーム色をしていたため、赤紫色の結晶が
映えます。
左:田口鉱山は美しい色のバラ輝石も産しました。酸化した黒皮に近い部分はややオレンジ色を帯び、もろくなって
います。
右:石英中に含まれているため、一見バラ石英のような外観です。マンガン鉱物特有の酸化・黒変には強いようです。
ザクロ石と同じ二十四面体です。この標本は透明度は悪いですが、周囲がほぼ完全なコロっとした形です。
矢羽状の結晶が放射状に並び、白矢車石とでも名前を付けたくなる美しい結晶です。
アルチニ石としては小型ですが、放射状になった結晶の本数が少ない美しい形で気に入っています。
先の水苦土石など共に産出し、冬を思わせる涼しげな標本です。
宝石を思わせるような透明感のある鮮やかな赤色の鉱物で、鉱物マニアであれば一つは手元に置きたい一品です。
ここから産する標本としては微細なものです。菱苦土鉱とみられる褐色粒状結晶と相まって、雪の結晶のような対比 がとてもきれいです。
1987年頃に行われた河川改修工事の際に川原に落ちていたもので、中心が青色、左右が褐色を帯びた、蝶ネジを
思わせる奇妙な形の標本です。
川ズレしていますが、溶蝕が激しく進みこのような形になったようです。
海岸漂石です。この周辺では、いつも「ひすい」探しをしている人に出会います。2、3cm大のもの
でも見つけるのは容易なことではありません。
やっとの思いで「ひすい」を見つけると、何か神様からの授かりもののような気がします。
微細ですが、鮮やかな青色をした放射状の結晶です。産地は肥料原料としての蛇紋岩採掘場でしたが、
数年前工業団地造成のため整地されてしまいました。
透明度の高いものが見つかるのはまれですが、小さいながら田ノ上産や苗木産を彷彿とさせる標本で
す。
錫の砂鉱中に偶然入っていたもので、もう2度と見つけることはできないでしょう。
小さな結晶ですが、緑簾石とのコントラストが美しい標本です。