がんばれ渚ちゃん。

 ふと風子が目の前をぴょこぴょこしていたので、ついかっとなって頭を撫でてしまった。ふいふい。

「はふーっ……はっ」

 しばらく妙にしあわせそうにしていた風子だが、やがて正気に戻ったっぽく俺の手を払いのける。

「風子、そんな安い女じゃないですっ!」

 そんな捨てセリフを残して風子はいずこかへと走り去った。いやはや残念。

「これが若さか……」
「あの、朋也くん」
「ん?」

 声をかけられ振り向けば、そこにはマイフレンド渚が立っていた。
 渚は瞳をつむって、頭をちょっとこちらに付きだして、少し顔を赤らめながらじっとしている。
 俺はそんな渚を見つめ、二人の間に微妙なラブラブフィールドが形成されたのを観測したのち、

「渚……」
「朋也くん……」

 俺はその決意に満ちた渚の表情から彼女の心情を察し、そして言う。

「ヘッドバッドの練習か! よし、かかって来いっ!」
「……朋也くん、いじわるですっ!」

 そう言って、渚もあさっての方向へと走っていった。
 その後、一時間ほど渚の機嫌は悪かった。

 ふと目の前を風子がぺちぺち歩いていたので、つい思いあまって持ち上げてしまった。高い高い。

「わわーっ……はっ」

 しばらく高度に心奪われてた風子だが、やがて正気に戻ったっぽく俺の頭に木製のアレを打ちつける。

「風子、そんな軽い女じゃないですっ!」

 そんな捨て台詞を残して風子はいずこかへと走り去った。いやはや無念。

「これが学歴社会の弊害か……」
「あの、朋也くん」
「ん?」

 声をかけられ振り向けば、そこにはマイラバー渚が立っていた。
 渚は瞳をつむって、両手を広げて体を乗り出し、少し顔を赤らめながらじっとしている。
 俺はそんな渚を見つめ、二人の間に微妙なマブラヴフィールドが形成されたのを観測したのち、

「渚……」
「朋也くん」

 俺はその決意に満ちた渚の表情から彼女の心情を察し、そして言う。

「ボディプレスの練習か! よし、かかって来いっ!」
「……朋也くん、いじわるですっ!」

 そう言って、渚もあさっての方向へと走っていった。
 その後、ニ時間ほど渚の機嫌は悪かった。

 ふと目の前を風子がにょろにょろうごめいていたので、つい思いあまってキスしてみた。

「ってさすがにそれはないですっ」

 ごめんほんとはしてない。ということで俺は風子に超必殺・ヒトデカーニバル(レベル3)を食らった。ぴよぴよ。

「ふ、風子は、そういうことをされるのはもっとロマンチックな状況を所望する女ですっ」

 そんな捨て台詞を残して風子はいずこかへと走り去った。いやはや残念無念。

「これが全年齢対象の限界か……」
「あの、朋也くん」
「ん?」

 声をかけられ振り向けば、そこにはマイシスター渚が立っていた。ごめん嘘。
 渚は瞳をつむって、唇を少し突き出し、少し顔を赤らめながらじっとしている。
 俺はそんな渚を見つめ、二人の間に微妙な石破ラブラブフィールドが形成されたのを観測したのち、

「渚……」
「朋也くん」

 俺はその決意に満ちた渚の表情から彼女の心情を察し、そして言う。

「キスの練習か! よし、かかって来いっ!」
「……朋也くん、いじわるですっ!」

 そう言って渚もあさっての方向へと走っていった。いや今回俺間違って無いじゃん。
 ともあれ、その後、三時間ほど渚の機嫌は悪かった。

 まったく渚はかわいいなあ。

[おわれ]