1. 秋の風が心地よくなってきた ある秋のお昼のお話。 マスター。一つ尋ねたいんですけど。 今日もセリオさんは制服姿。 何着も違う制服を持っているようだ。 今日は坂の上のとある学校・・・と言うか俺の学校の制服。 なんだか制服にエプロンって・・・いや。何もいうまい。俺はノーマルだ。 ・・・最近少し自信が無いけど。 とりあえず可愛いからよしとする。 普通の服も今度買いに行くとしよう。 なんだいセリオさん。・・・おかわりお願い。 わかりました。はい・・・どうぞ。 ありがと。・・・それで、何を聞きたいの? はい。・・・確認するだけですよ? 別に他意はありませんからね? 一体何の話だろう?何時も言葉よりも早く拳が・・・コホン。 率直に聞いてくるセリオさんらしくない。 ・・・今って23世紀ですよね? えっ? 聞こえませんでした?今って23世紀ですよね? 二十・・三世紀? ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ち・・・沈黙が痛い。 そんな秋の風が心地よくなってきた。 ある秋のお昼のお話。 今日も俺はぴよちゃんに狙われてる。(どうやら首がお好みらしい・・・)

    セリオさん。 何故に今が二十三世紀? ・・・違うんですか? したから覗き込むようにしてる。 いや、そんな顔されても・・・怒ってる顔(に見える)も可愛い。 いや、違うといわれれば違うとしか言いようが無いんだけど・・・ それじゃあ今は一体何じ何どきなんです? えーと、もうすぐ夢の二十一世紀・・だと思うよ。 ・・二十三世紀じゃないんですか? うん。少なくとも僕は生まれてたかだかうん十うん年。 この世界が変わっていない限りは今は二十世紀のはずだよ? ・・・ ・・・ ち、沈黙が痛い。 そうですか・・・ どうりで建物なんかも日光○画村に有るような物ばかりだな〜って。 黒電話なんかも有ってマスターは骨董が趣味なんだな〜って。 周りのものがすべてそんな感じだから筋金入りのき○が○だな〜って。 町全体がそうだから、流石に少し変かなって思い始めて。 ・・・俺って骨董マニアの変なやつって思われてたのか・・・ それにしても二十三世紀(でいいのか?)にも日光○画村なんてあるんだろうか? そうですか。これでやっと謎が解けました。 それじゃあマスター。今までお世話になりました。これにて実家に帰らせてもらいます。 三つ指ついてそんな事を言い始めた。 ちょ、ちょっと待ってよセリオさん。俺にも判るように説明してくれない? ・・・どうしても知りたいんですか? えっ!そりゃできれば教えて欲しいよ。 セリオさん。俺達・・・家族じゃないか。 せっかく仲良くなれてきたと思ったのに、いきなり帰る(どこへ?)って言い始めるんだもん。 マスター・・そこまで。 少し彼女の視線が照れくさい。でもほんとの気持ち。 ・・・わかりました。私も腹をくくります。 この事話すと私もマスターも滅殺間違い無しなんですけど。マスターの心意気。しかと受け取りました。 あっ、そうなの?それじゃあいいや。 ・・・ ・・・ ・・・ああ!私なんかの為にご自分の命も顧みないその心意気。さすが私のマスターです!よっ!憎いよこのヤロー! セリオさん。ヤローなんて使っちゃ駄目だよ?言葉は心を汚すからね? はいマスター。すいませんでした。 ・・・と言うわけで理由を・・ああっ!そうだ。そろそろこの前つけてくれた糠漬けそろそろいいころじゃない? ああそうですね。お食べになりますか? うん。お願いするよ。 ふふふ。これは私の自信作なんですよ?なんたって隠し味がつけてありますから。 ははは。そうなの?そいつは楽しみだ。 ふふふ。そうです。なんたって隠し味にあ・・ははは。"愛情〜"ってのは無しだよセリオさん。ってそんな訳無いか。ははは。 ・・・ふ・ふ・ふ。そ、そんな訳無いじゃないですか。嫌ですね〜。マスター。・・・・ふふふふふふふふふ。 あう。・・・クッ、クリティカルヒット。 目が。あの目はマズイ。そして命がヤバイ。 一生懸命話をそらしてたのに自ら墓穴を掘っちまった。 一度本気で川の向こうが見えた時の10倍(当社比)はマズイオーラを出している。 何とかしないと。今度こそ川の向こうで手を振っていたじーちゃんのもとに行きかねない。とりあえず何とかしないと・・・ い、いや〜。この糠漬け美味しいな〜。さすがセリオさんのお手製だね〜。 ・・・この前のは失敗して、昨日買って来た所です。 駄目じゃん。っていうかセリオさんも失敗してたんじゃん。 ・・だからと言ってこの状態がどうにかなるわけで無し。 い、いや〜。そんなの関係ないよ。なんたって之にはセリオさんの"愛情"が詰まってるんだから。 ・・・おっ。反応あり。何とかオーラ(?)が10分の1ぐらいにまで減ったぞ。さてもう一押し。 既製品と言っても最近のはよくできてるからね。それに・・そうです。私の作った物は所詮既製品と一緒ですからね。 ・・・ああっ!不味すぎる。それにやっぱりセリオさんの"愛情"が詰まってるから美味しいんだよ。(既製品なのに?) って続くはずなのに〜。 完全にお話遮断モードに入ってる。 ふふふふふふふふふふふふふふふふ。 うううっ。爆発一歩手前だ。此処にいても命の炎が散るのをただ待つだけだ。 とりあえず戦略的撤退・・・ダッシュ! 逃〜が〜し〜ま〜せ〜〜〜〜〜ん。ふふっ。ふふふふふふふふ。 うわ!セリオさんが笑ってるよ(ように見える)。・・・何か。とっても可愛いかも。 ってこんな時に何考えてるんだか俺。 兎も角逃げる。家を出る。この際回りに被害が出る事も已む無し。 兎も角逃げる。角を曲がる。 あっ○○。どうしたんだ〜〜〜〜〜。 とりあえずやつは無視。あっ。そうだ。 おい。すぐにセリオさんが此処に来るから少し話をして待っててくれ。俺もすぐに戻るから。 いきなり現れて意味がよく判らないんだが。とにかくセリオさんと話してればいいんだな? ・・・もういないよ。さてセリオさんが来るって言ってたけど・・・ 逃がしませんよ〜〜〜〜。ふふふふふふふふ。 ・・・ひょい。道を空ける。俺だってまだ死にたくない。 人も車も・・・道さえも無視して走ってくるセリオさんを止めてお話しようなんて俺は思わない。 痴話喧嘩かな?夫婦喧嘩は犬でも食わないってね。やつも青春してるんだな〜。と思っておこう。うん。 ちっ。つかえねぇ。セリオさんの声がだんだん近づいてくる。 マズイな・・・このままじゃ追いつかれて川を渡ることになってしまう。三文銭。持ってないのに。 後ろを振り向く。ちょうど角を曲がった所だ。・・・其処には角なんて無かったけどね。家。ぶち抜いてきてるよ。 流石二十三世紀のメイドロボ。ダッシュとパワーが違うね〜。 何か、日本昔話の小坊主の気持ちがよく判る。今の俺には3枚のお札は無いから状況はもっと悪い。 ううっ。あの笑顔が可愛くもあり、恐くもある。 そろそろ俺の人生も幕切れか?と思った時。救いの手は意外な所に落ちていた。 人生最後になるであろう角を曲がる。 其処にはHM−12。通称マルチがいた。 あっ。このマルチちゃん。近所で"メイドロボフェチ"と言われてる先輩の家のマルチちゃんだ。 ・・・最近じゃ俺もその中に入ってるらしいけど。 前に何度か先輩のうちに遊びに行って其処であった事がある。 表情から雰囲気からして全然違うのですぐにわかる。 あ〜。こんにちは。○○さん。 よう。○○。どうしたんだ?そんなに慌てて? 先輩!マルチちゃん!早く逃げてください。この場所・・・いやこの町から! いったいどうしたんだ? ゆっくり話してる暇はないんです!・・・ああっ!来た! ふふふふふふふ。もう逃がしませんよ?さあ、一緒に死んでください。○○さん? あああ。何時の間にか無理心中になってるよ。 先輩も少し引いてる。流石対メイドロボ専用光源氏だ(?) おい。彼女がお前が前言ってたセリオか?何か滅茶苦茶怒ってるぞ? はい。少し心のすれ違いと言うか意見の食い違いと言うか・・・先輩!何かアドバイスを! 心?・・まぁいいか。とりあえず謝っとけ。こうゆう時、どれだけ男が悪くても謝っとけ。 そういえば謝ってなかった。 セリオさん。ごめん。俺が悪かったよ。許してくれ。とりあえず話だけでも・・・ ふふふふ。豪華客船が沈没なんてのもいいですね?其処で二人で手を取り合って・・・ ああああ。駄目だ。妄想でどっか遠くまで行っちゃってるよ。 ・・お前のうちのセリオ。何か・・・個性的だな。 はい。ええそりゃあもうこれ以上無いくらい個性的です。 てくてくてく。とマルチちゃんが歩いていく。 マルチ! マルチちゃん! てくてくてく。ポカン。 とセリオさんの頭を軽く叩いた。 ポカンとセリオさん。キョロキョロして、視点がマルチちゃんに止まる。 セリオさん!駄目じゃないですか!人間の皆さんに迷惑かけちゃ! 之には先輩も俺も周りで様子をうかがっている人もびっくり。 メイドロボがメイドロボを説教してる・・・ ま、マルチ姉さん?! セリオさん。私達は人間の皆さんに喜んでもらうために本来その存在があるんです。 ・・・そりゃ私にとって〜、浩之さんが〜、一番大切ですけど〜。って何言わせるんですか〜!恥かしいです〜〜! ・・・何じゃそりゃ。一気に場がしらけた。周りのギャラリーは散っていく。 とりあえずセリオさんも話を聞いてくれる状態になったみたいだ。今のうちに謝っとこう。 そんな訳でセリオさんに謝って、今度好きな物を奢ると言うことで何とか和解。 先輩の家のマルチちゃんはどうやら始祖のマルチらしく、セリオさんがしきりに会えた事に感動してた。 また今度お話しましょう。と言う事でお互い・・と言うか渋々のセリオさんを引きずって家に帰った。 そういえば帰る(何処に?)事はあやふやになっちゃったな。まあいいか。いてくれた方が嬉しいし。 町がどうなったかと言うと。次の日にはもう何事も無かったように元どうりに直っていた。 ・・・之も二十三世紀とやらの力なんだろうか?昨日の事。誰も覚えてないし・・・ ひょっとして、この町は既にセリオさんの手のひらの上? ・・・恐くなってきたので此処らで考えるのをやめとこ。 (それがマスターの為です) ・・・気にしない気にしない。何か幻聴が聞こえたけど気にしない。 今日も生き残れた事を神様に感謝。 明日も平和でありますように。 (にやり(のように見える)) ・・・幻覚。幻覚。








三本目。

何かドンドン変になっていきますね。何も考えずに書いてますから。

秋です。きっとこの学校は9月が新学期なんでしょう。・・・きっとそうです。

注)セリオさんはこんなキャラじゃありません。


読んでくださったあなたに感謝を

ではでは・・・

2000.5.31






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