Quarantine
クアランタイン

物語、現在のケモ市の有り様、ケモ市の近代史など。
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監獄都市KEMO
監獄都市、KEMO
ケモ市の近代史
物語
 西暦2048年。…監獄都市KEMO…
西洋の宝、大陸西部の宝石と呼ばれ、ホバーカーの街として繁栄する大都市ケモ。
異様なまでに増加する犯罪問題の対応として、超巨大多国籍企業オムニ社による「クアランタイン計画」が実行された。
高さ10メートル、厚さ5メートルの壁が街を囲い、ケモ市は外界から隔離されてしまう。
犯罪者をまとめて外界から隔離したこの街は、外界の凶暴な犯罪者たちを収容する為の刑務所としても機能する。
更にオムニ社は、凶悪な発想を抑止するという新薬「ヒドロゲン344」を街の水源に混入。
ヒドロゲン344は水中のバクテリアなどと反応してしまいウィルス化、感染者は意識障害を引き起こされ凶暴化する。
2048年、ケモ・シティ。
半ば崩れかけたビル群の林立する足下には、薄汚れたホバーカーばかりがやたらに駆け回る。
そこは、生きとし生けるものの住める街ではなかった…。
 ハードロックキャブでは (プレイステーション版)
ヒドロゲン344に感染した者は、兇悪なゾンビとなる。
とはいえ、ゲーム上ではゾンビを連想させる部分は血の色が緑である事くらいで、走って銃を撃ったり、火炎瓶を投げてきたりする。
唯一、地中から現れるという演出に関しては、ゾンビという設定がしっくり来るかも知れない。
 カランティーンでは (3DO版)
スペルは一緒ですが、ケモではなく「キーモ」と読みます。
ヒドロゲン344ではなく、「ハイダージーン344」です。
クアランタイン計画ではなく、「カランティーン計画」です。
オムニ社を、マニュアルでは「オムニスコープ社」と書いています。
 管理人より
この閉鎖空間は、わずかのお金で誰でも銃を手にできます。
誰が誰を殺めても罪に問われない、無法の世界です。
それを言ったらゲームなんてどれも主人公が正義で、大義名分を振りかざして他者を殺し放題なものですが、この作品はその意味合いが異なります。
まるで現実のそれと同じように、善悪の区別が難しいのです。
誰を敵と認識すべきなのか、見えにくいのです。
ウィルスに感染したり、未来に希望を持たず自暴自棄になる多くの住民は、狂っています。
一目見て凶暴と分かればその人から身を守る術もありそうですが、たった今ごく穏やかにすれ違った誰かが突然機関銃を乱射するような驚異に対しては為す術など皆無でしょう。
そして、所詮ゲームの都合だけな世界設定、などと考えていた管理人が驚いたのは、住民による社会があるという事です。
治安はありませんが、社会はしっかり構成されているように思えます。
食料を生産、販売する人もいます。それを受け取るのにちゃんと代金を支払う人がいます。それも十人や百人ではありません。
(その分、芸術の分野は経済から取り残され、外見や体裁に価値を持つ人はごく少数です)
彼らはこの街に囚われながらも、生きようとしているのです。
誰も好きこのんで人を殺したいなんて思わないのです。
作品の概要を読んで、単に誰もがやりたい放題な世界を想像しくだらないと罵るのは、少々馬鹿にし過ぎてやしないでしょうか。
基本的に人間は人間を信用などできません。
では、居合わせた人が有害かどうかなど、どうして分かるでしょうか。
未然に、手当たり次第に実力で解決を図るとは簡単な答えです。
しかしその時の自分にもたらされる意味は、社会でも生きる事でもないでしょう。
それは背徳とかそーゆー問題ではありません。
作った人にその意志が無くても、今日食べるそのパンにはウィルスが紛れているかも知れない。そんな極限の中に彼ら住民は何を見て、どう生きるのか。
この作品は、大胆な世界観で社会の本質を指摘したように感じるのです。

と、感想を書きましたが、これはゲーム上に定義されている事ではありません。管理人の解釈です。念のため。
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 ケモ市の近代史
西暦2022年
ケモ・シティは西海岸の宝石と呼ばれる活気に満ちた都市。ホバーカーの街として知られていた。
しかし、この街では他の大都市と同様、増加する犯罪に頭を痛めていた。
犯罪の発生件数の膨大さに、行政が対処しきれなくなってしまったのだ。
この問題を解決すべく討議が始められた。

西暦2026年
ケモ・シティの犯罪問題は手に負えないほど深刻な状態に。
景気が低迷する中、犯罪に手を染めることと、ブラックマーケットでの闇取引だけが、ケモ・シティの市民にとって生活の糧を得る唯一の手段となる。

西暦2029年
オムニ社が設立される。
この巨大企業には、ケモ・シティに関する大がかりな計画があり、同社によれば腐敗した街を一掃し、犯罪問題を解決できるという。
そのコードネームはプロジェクト " Q " 。

西暦2030年
厚さ6メートル、高さ10メートルの強化コンクリート及び鉄製の壁の建設工事が着工される。
一般市民に対しては、この壁は単なる防護壁であり、ケモ・シティへの自由な出入りは一切制限される事はないと説明される。

西暦2031年
ケモ・シティを取り囲む壁は完成間近。
街から逃げ出そうとパニックが起こる中、ごく僅かな一部の一般市民だけがケモ・シティの脱出に成功。

西暦2032年
6月9日に壁は完成し、唯一の出入り口は封鎖されてしまった。
プロジェクト " QUARANTINE " は完全に始動し、これによりケモ・シティは街全体が刑務所と化してしまう。
中にいる犯罪者を外から隔離すると共に、ケモ・シティは他の凶暴な犯罪者のための刑務所としても機能する。

西暦2043年
オムニ社は「ヒドロゲン344」の実験を決定。
報告によれば、この薬品は「凶悪な発想」を抑制する作用がある。
そして、ついに「ヒドロゲン344」は街の水源に混入された。

西暦2045年
「ヒドロゲン344」の開発者たちは気づかなかったが、ケモ・シティの水質はバクテリア及びウィルスの濃度が異常に高く、「ヒドロゲン344」に反応して突然変異ウィルスが発生。
このウィルスに感染すると、急激に体温が低下し、24時間以内に死に至る。
だが、増殖したウィルスは患者の身体を乗っ取り、死者を凶悪なゾンビとして蘇らせるのだった。
およそ半数の犯罪者がゾンビ化し、まだ感染していない者を次々殺害するようになる。

西暦2047年
ウィルスはまだ広がり続けている…。

( プレイステーション版、デモ画面より )
 デススロットルでは (セガサターン版)
西暦2045年
「ヒドロゲン344」の開発者たちは気づかなかったが、KEMOシティの水質はバクテリア及びウィルスの濃度が異常に高く、「ヒドロゲン344」に反応して精神異常の原因となるウィルスが発生。
このウィルスに感染すると意識障害を引き起こし、その主な症状としては心身とも極めて凶暴になる。
囚人のおよそ半数は精神を犯されてしまい、こうして異常殺人鬼と化した者は、まだ殺人ウィルスに犯されていない者を次々と殺害する。
( 取扱説明書より )
 カランティーンでは (3DO版)
2045 AD
" ハイダージーン344 " の開発者たちは気付かずにいたが、実はキーモの水道水はバクテリア・ウィルスの含有率が極めて高く、ハイダージーン344と反応して精神反応性ウィルスを発生する驚愕すべきものだった。
このウィルスは神経シナプスを破壊し、兆候としてはまず凶暴化するのであった。
囚人の約半数が狂人と化し、まだ症状の現れない人間を無差別に殺戮する。
( 取扱説明書より )
 管理人より
ハードロックキャブ(PS版)では新薬投与によってゾンビ化するとゆー設定なので、それに関する2045年の部分を比較してみました。
この辺の事は、あくまで設定上の違いであって、ゲーム自体は何ら変わりません。(血の色が違うくらい)
デススロットル(SS版)やカランティーン(3DO版)は年齢制限があるだけあって、人間が人間を殺すという設定に生々しさがあります。
文章表現的に、カランティーン(3DO版)の方が本格的とゆーか具体的で、読み手として衝撃的だと思います。
その割にカランティーン(3DO版)は16歳未満不適で、デススロットル(SS版)は年齢制限18歳以上だったりします。
ヒドロゲン344の具体的な作用、「神経シナプスを破壊し、兆候としてはまず凶暴化する」というのは、カランティーン(3DO版)で初めて分かる事です。
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 物語
ドレイク・エッジウォーターは21世紀のケモ市で生きる、タクシードライバー。
幸福な家庭、明るい庭先、小さな息子。クアランタイン計画にその全てを奪われた男。
既に外部へと繋がる唯一のゲートは閉鎖され、常に理不尽な死と隣り合わせの生活を余儀なくされている。
世界で最も汚れた街。悪の吐き溜めのような街。こんな所からは、誰しもが脱出を願っている。
しかし、ゲートを開くパスワードが分からない。
人と接する機会が多いほど、パスワードを知っている奴と出会う確率も高いはず。
いきなりパスワードに関する質問などしない。どこに組織の犬がいるか分からないからだ。
仕事を確実にこなし、客が自発的にパスワードを告げるのを待つしかない。
頼りは愛車の52チェッカー。
客を運んでお金を稼ぎ、ホバーキャブを武装して、情報を手に入れる。
今日も客を探しに街を流そう。
ドレイクの脱出計画が始まった。
 カランティーンでは (3DO版)
ドレイクは、ここでタクシードライバーとしての仕事をしてお金を稼ぎ、愛車の装備や武器の準備が整い次第脱出する計画でいる。
 管理人より
デススロットル(SS版)には「脱出を夢見るひとりの男がいた」くらいにしか書かれていません。
ハードロックキャブ(PS版)では、ゲートを開く為のパスワードが当面の目的である事が最初から分かっています。
こんな些細な事、ゲームする分には何の違いもないんですが、演出としては結構重要だと思うのです。
上に書かれている文章(物語)は、ハードロックキャブ(PS版)とカランティーン(3DO版)の説明書に書かれている文を色々と使っていますが、
ハードロックキャブ(PS版)ではパスワードが分からないとゆー事だけ、ゲーム開始前に伝えられているんです。
そこ行くとデススロットル(SS版)やカランティーン(3DO版)は、アンダーグラウンドからミッションが与えられ、遂行すると情報が手に入る…とゆー所が説明書に書かれてしまっています。
それが良いか悪いかは恐らく決まったものではないでしょう。
ですが管理人は、街の人たちの「ただじゃ死なねえ!」みたいな姿勢を初めて知った時に、この作品に惚れました。
最初は、運良く乗せた客が当たりならパスワードを一文字ずつ喋ってくれるって感じのゲームだと思い込んで、そんな先の見えないゲームをやってられるか、って早々に投げ出したのです。
この作品は、当初は自分ひとりだけが脱出するとゆー目的ですが、同じ境遇にあるのは自分だけじゃないって事に気が付いて初めて、この街に生きる人たちの存在に目がゆき、単なる3Dアクションゲームのプレイヤーという立場からその世界の住人に成り得るのではないか思います。
だとすると、その流れはゲームを進める中で知った方が感情移入できるよーな気もします。
偶然二回目の挑戦をして、好きになれたからこんな事言えてる訳ですが…
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