何千年もの土と水と風が木になって、
それから何千年も生きた木が
今ここにいます。
それから何千万回も、
その年月をなぞるように、
丹念に丹念にひたすら人の手が
この木を磨きました。
目を閉じて、
そっとこの年月と手の技に
触れて見て下さい。
この木々たちから、土のぬくもり、
水のせせらぎ、風のそよぎが
伝わって来ることでしょう。
当館は、私の生家を木々たちの
ついの住みかとなるように
改築致しました。
ここにある木々は、
私が四十数年をかけて集めたものです。
こんにちの姿になるまでに、
私が何年もかけて、わが子のつもりで、
手と糠だけで磨きあげました。
蛇を取り込んだ蛙あり、
燃え上がる炎あり、
又、天に昇る龍など、
さまざまな姿を心に描きながら
自然のたくみを
ごゆっくりお楽しみください。
館主
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