◆ 実践編1 ◆
原画を描く



 この章では、むつきの原画作成の手順と、原画を描くのに必要な道具をご紹介します。
 表現技法やデッサンのやり方などは専門書を参考にしてください。


@  道具を揃える
 初心者だからとりあえず適当な物で……と考えるかもしれませんが、個人的な意見を言えば、やる気があるなら、初心者の時ほどちゃんとした道具を使った方がいいと思います。道具に良し悪しや相性があるのは事実ですし、最初はその差を腕でカバーするというわけにはいかないと思いますので。
 以下に説明する道具は、全て画材屋や東急ハンズなどで入手できます。「近所の文房具屋」くらいの店では、あまり置いてないかもしれません。地方在住で近くに適当な店がないという方は、「世界堂」の通信販売などを利用するといいでしょう。

 さて、最低限CG用の原画に必要な道具は、鉛筆と紙とです。これに加えて、ペン入れのためにペンとインクが必要になります。
 なお、自分で描いて自分で塗る場合に限って言えば、CG作成ではペン入れは必須の作業ではありませんが、一般的にはやはりペン入れは絵を描くうえで最重要作業です。

 下書きの鉛筆(シャーペン)はお好みの物でかまいません。あえて言えば、B以上の濃くて柔らかい芯の方が適しています。線が多くて分かりずらい場合は、青など他の色を併用してもいいでしょう。

 ペン入れに使うペンは、以下のいずれかを使う事が多いと思います。ペン先とペン軸は別々の物で、当然サイズの合うもの同士を使わなければいけません。Gペンの場合、ペン先5本とペン軸で、だいたい600円くらいです。これ以外では、「ロットリング」や「カリグラフィーペン」、「日本字ペン」などがあります。ボールペンは多くの方が使い慣れているでしょうが、ペン先の形状に問題がありますので、原画には使わないようにしてください。


◆Gペン
 もっとも標準的なペンと言っていいと思います。比較的安定した線が描けます。
◆丸ペン
 細い線に適していますが、強弱を強調した線を描く時にも使えます。あまり力を入れて描くとすぐに劣化しますが、少しだれたペン先でも使い道はあります。
◆ミリペン
 製図用の0.05mmほどのマジックです。強弱はつけずらく、にじみやすいですが、瞳など、細かいところを塗るときには便利です。


 紙は良質なものを使いましょう。目の粗い紙だと、ペン先が引っかかったりにじんだりしてペン入れができません。ラフでは安い紙でもかまいませんが、ペン入れの時はちゃんとマンガ用原稿用紙を使ってください(上質紙であれば代用できるものもあるかもしれませんが……)。物にもよりますが、A4、40枚で250円くらいです。
 なお、使用する紙のサイズはパソコン環境によります。スキャナで取りこめる最大サイズのものを使うようにしてください。

 インクは、「マンガ用」「製図用」「証券用」など種類がありますが、黒でありさえすれば、必ずしもマンガ用と書いてあるものを使う必要はありません。墨汁を原液のまま使ってもOKです。商品によって「さらさらしている」「にじみにくい」「つやが強い」などの特徴がありますので、自分の使いやすいものを探してみてください。一瓶で500円くらいです。

 この他、あると便利な道具に「ライトボックス」があります。
 用途から「トレース台」とも言いますが、これは要するに蛍光灯や導光板などの明かりを内臓した箱で、紙を重ねて透かし描きする時に使います。ペン入れの時に非常に有用ですので、余裕があれば揃えておきたい道具です。価格は1万円前後しますが……。ちなみに、けっこう身のまわりにある物でも代用できますので、工夫してみてもいいかもしれません(ガラス板は危険なのでやめましょう)。

 定規はキャラよりは背景でよく使う物でしょうが、30Cm定規、三角定規の他に、雲型定規や自在定規があると便利かもしれません。これらは曲線を引くための定規ですが、後者はゴムと針金でできていて、自由に曲げる事ができます。また、製図用のテンプレートも用意しておけば使える場面もあるでしょう。

A デッサン
 ここからはむつきのやり方です。人によってやり方は違うでしょうから、参考までに。

 どんな絵を描くか決めたら、まず人物を裸(というか、ラインのシルエット)の状態でデッサンを取ります。ポーズ写真集やデッサン用人形などが参考になるでしょう。これらも画材屋で売っています。

 裸なんて描きたくない、という方もおられるかもしれませんが、人に見せる見せないは別にして、ヌードデッサンは人物を描くうえで基本中の基本です。ちゃんと勉強しておきましょう。

B  着衣
 さきほどのデッサンをライトボックスで透かしながら、服を描きます。根拠となる身体の動きがはっきりしている事で、服のシワも描きやすくなると思います。なお、人間は服を着ると多少身体のラインが変わります。特に女性の場合、ブラをつけた状態ではバストの位置がけっこう変わりますので注意してください。

C  ペン入れ
 完成した下描きをライトボックスで透かしながら、線をペンでなぞっていきます。慣れてきたら、線に強弱をつけてみるといいでしょう。 むつきの場合、ペン入れには主にGペンを使います。

 ペン入れに使う紙は丁寧に扱って、できるだけ汚さないようにしてくださいね。

 万が一インクをたらすなどしてしまったら、下手に拭いたりせずに乾くのを待つほうがいいでしょう。あとでホワイトで消したり、パソコンに取りこんでからでも十分修正できます。



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