ハセツネ物語(第14回日本山岳耐久レース、長谷川恒夫CUP)

●日時   2006年10月8〜9日 13:00スタート

●参加者  坂上、森田(記)

●天候   晴れ

●ルート

五日市中グラウンドスタート→今熊神社→市道山分岐(795m)→醍醐丸→生藤山(990m)→土俵岳(1005m)→笹尾根→三頭山(1527m)→大岳山(1266m)→御前山(1405m)→御岳神社(929m)→金比羅尾根→五日市会館ゴール

(距離:71.5km)

控え室の坂上さん 森田さん ゴール! 完走証 FinisherTシャツ

●タイム及び順位(森田)

出走者数 2004人

第1関門(浅間峠22km地点)    4:24:42  636位/1991人

第2関門(小河内峠42km地点)   9:00:19  518位/1712人

第3関門(御岳山58km地点)   13:57:35  533位/1519人

ゴール(71.5km)       16:32:41  565位/1515人

●トレーニング及び試走

ハセツネに向け4月ごろから週2回階段トレーニング(10階建てマンションを20〜35往復)

ランニングは上尾水上公園の林の中を走り回った。

8月に正丸峠〜伊豆が岳〜子の権現〜東吾野のトレイルランを1回

9月にハセツネコースを試走、後半部33.5kmを1回、前半部38kmを3回(内、1回は前半部22km地点で敗退)

●マラソン−ハセツネ換算表

マラソンにサブ3があるように、ハセツネにもサブ12がある。難易度的にはだいたい同じようである。すると、ハセツネはマラソンのタイムの4倍で考えれば合うように思われる。(体感的にもそのように感じる。)

マラソン   ハセツネ

2:30   10:00

3:00   12:00

3:30   14:00

4:00   16:00

4:30   18:00

5:00   20:00

6:00   24:00

ハセツネの制限時間は24時間、すると制限時間6時間のマラソンと同等ということになる。

しかし、過酷さではマラソンを2回以上走ったような感じです。

●目標設定

前半部のベストタイムは7:16、後半部は約6:30でしたので、合計すると13:46となる。

また、僕のマラソンにおける目標タイムが3:30ですので4倍すると14:00となる。

そこで目標を14時間と定めた。

●本番

午前10時前に車で五日市駅前に行くが、そこの駐車場は早くもいっぱい、車を置くことの出来た坂上さんをピックアップし離れた第2駐車場へ行く。その後、受付会場に行って、Tシャツ、ゼッケン、チップなどを貰い、控え室の五日市小学校へ行き、シートを広げ陣取る。また、会場の出店に行き、軽量ストックを衝動買いしてしまった。控え室に戻りくつろぐが人が大勢いて足の踏み場も無くなっていた。時間が近づいたので五日市中学校のグラウンドに行き、目標は14時間ですが、大人数によるスタート時の渋滞も予想されるので、少しさばを読んで、坂上さんと12時間あたりに並ぶ。(しかし、それでもあっちこっちで渋滞があった。次回は、もっと前で並ぶべきと思った。)

◎13:00スタート、ペースが遅いので坂上さんといっしょにどんどん抜いていく。しかし、前日焼き肉を腹一杯食べたお陰で、結構頑張れる。登山道に入ると所々で渋滞が始まった。僕は目標タイムがあるから、焦って、抜けるところではどんどん抜いた。心拍数も160〜170ぐらいでちょっと高めですが、気持ちが高揚していることもあって、全然疲れを感じなかった。試走では、2時間に1回休憩するのですが、渋滞のタイムロスが気になって、第1関門まで、休まなかった。それでも、トレーニング時よりも30分ほど遅い。走りながら栄養補給にパワージェルを2本ほど補給した。

◎第1関門では、日が暮れていたが、まるで露天商のように明るく賑やかであった。アミノバイタル、おにぎり半分、梅干し数個摂って、また走り出す。途中、笛吹峠でパンプの知り合いの女性がスタッフをやっていた。声をかけたら、「がんばって〜!」とすごく喜んでくれた。本当はここで休もうと思ったのですが、何となく休みづらくなって、見栄を張ってそのまま通過した。こういう事があとあと響いて苦しいことになってしまう。西原峠では、月明かりで空が明るく富士山の綺麗なシルエットが雄大に見えた。核心に入る前にここぞと言うときにパワーを発揮するというアミノ酸(MUSASHIのCHEN)を補給する。いよいよ、第1核心の三頭山の登りです。途中、ルート上に倒れて寝込んでいるランナーがいた。「大丈夫か、コイツ!」と思いながら登っていく。三頭山山頂に着いたら、まだ半分なのにみんな歓喜している。ここでチェックを受ける。スタッフに「ナンバーは?」と聞かれたが、疲れていたのでぶっきらぼうに「忘れた。」と答えたら、笑われた。和やかな雰囲気です。5分ほど休憩するが寒いので身体が冷える前に出発する。ここでほぼ中間地点、後は御前山と大岳山の2カ所の核心を残すが、基本的には下りですのでホットする。鞘口峠では、トレーニング時よりも1時間ほど遅い。体感的には休憩も惜しんで大勢を抜いて良い線行っているんじゃないかと思っていたが、やはり渋滞が響いた。体力もトレーニング時よりも消耗している。焦ってまた急ぐが、このころから、吐き気がしてきた。

◎第2関門も明るく賑やかだった。多くのランナーが休憩している。寝込んでいる人もいた。

持っていた水2Lとスポーツドリンク1.5Lは、水を0.5L残して無くなっていた。ここで、1.5Lの水またはスポーツドリンクを貰えるが、僕は水1L、スポーツドリンク0.5L補給する。

吐き気が止まらず、全く食べる気がしない。水さえ飲む気にならない。15分ぐらい休んだが、動き出す気力が出ない。携帯電話が通じたので、家に電話した。家族の応援でまた、頑張る気になった。第2核心の御前山の登りに入る前にお腹を軽くしようと雉うちをした。コースの直ぐ横でライトを消して静かにやっていたら通過していくランナーがみんな僕を照らして見ていた。山屋どうしではそんなことは日常茶飯事で恥ずかしくないが、そんなことに慣れていないであろうランナー達にライトアップまでされて見られるのはちょっと恥ずかしかった。御前山の登りでは、ずいぶんとルート上や脇にランナーが倒れるように寝込んでいた。気温は5℃ぐらいだけど、この人たちは、疲労凍死しないのかと思った。最後はスィーパーが拾っていくんだろうが、取りこぼされたら遭難しそうです。御前山山頂も賑やかです。毎回休むようになってきた。相変わらず吐き気が止まらず、このころから、頭の中では目標タイムを下方修正していた。しかし、まだ諦めてはいなくて14時間以内が14時間台になった。しかし、走ると吐きそうなので、登りでも下りでも全く走れず、早歩きで進めていく。登りの方が幾分ましだった。いつか、この吐き気が無くなるんじゃないかと期待したが、結局最後まで続いた。第3核心の大岳山の登りはもうあまり印象がない。しかし、これからはほとんど登りがないのでホットする。下りはけっこう悪くて、けがをする人も多いので慎重に下った。御岳山の手前で水場があり、大勢が並んで補給していた。僕も補給しそれにアミノバイタルを混ぜて飲んだが、不味くてとても飲めない。

◎第3関門で最後のチェックを受ける。目標もさらに下方修正、15時間台ではなんとかしたいと思った。試走ではここから1.5時間ぐらいだった。ここからが、一番気持ちよく走れるコースなので可能性は有ったと思う。しかし、如何せん吐き気が止まらず、全く走れないため、結果的にはそれも無理でした。

真っ暗な御岳の商店街を抜け、日の出山へ向かうが、この最後の登りが結構きつい。日の出山山頂では、東京の夜景がすごく綺麗でした。しばし、見とれて休憩していた。ここから、ゴールまではダラダラと下りが続く。出来るだけ走る恰好するが、やっぱり、走れず、早歩きで通す。このころから、記録はもうどうでも良くなってきた。第3関門から2.5時間もかけやっとゴールです。

◎ゴールして椅子に座ると、今度は腰が痛くて動けなくなった。「困ったな〜」と思っていたところ、坂上さんがゴールしてきた。坂上さんに介護して貰いながら、すいとんとか食べて、控え室に戻り、荷物を片付けて家に帰った。

● 感想

レース後半と完走直後は「もう2度とこんな苦しいレースは出まい!」と思ったが、時間が経過するとともに、苦しい思い出が薄れてきて「結構楽しかった!」と思えるようになってきた。また、今回はなんの作戦もなく前半がむしゃらに走り、後半大幅にペースダウンをし、目標がクリアー出来なかったことが、心残りです。(マラソンでは一番やってはいけない事です。)レース中もこれではいけないと思いながらもどうしようもなかった。もし、来年も参加するとしたら、やはりしっかり準備をして、戦術も練る必要があると思います。スタート時にどの辺に並ぶかが大きく結果に影響するように思われます。レース中に抜かれても、あまり抜くようなエネルギーの消耗が激しいことは極力やらないほうが良い。休憩も計画的に行うこと。抜かれることを気にするとなかなか休めなくなる。他のランナーは気にしないようにする。自分の弱さとの戦いだと思います。

しかし、坂上さんと2人で行った試走も結構楽しかったなぁ〜!後半部試走途中御岳の商店街で飲んだビールは最高でした。その後、13kmも走ってあっという間にアルコールがとんだ。前半部試走で終わった後、三頭山の売店で飲んだビールも美味しかった。酔い覚ましに入った数馬の秘湯も良かったなぁ〜!ハセツネ完走後に泊まって宴会も良いかなと思った。とにかく、試走も本番も超充実します。

マラソンよりも本当に楽しい大会なので、来年は、熊谷山旅会から4〜5人参加出来るようになれたらいいと思います。3人揃えばチーム参加も出来ます。熊谷山旅会の名を轟かせましょう!