山名/山域

戸隠西岳(22日、2053)、高妻山(23日、2353m)  バリエーションハイキング

日  時

20061022,23日(土、日)  

天  候

22日(曇天、一時小雨)、23日(晴れ)

ル ー ト

22日、西岳) 鏡池7:00→天狗原8:00→熊の遊場10:00→無念の峰11:00→P111:20→西岳12:15

八方睨15:20→奥社17:20

メ ン バ ー     (熊谷山旅会)

(西岳班) 園(L)、石川、島野、深澤、蒔田、高田、新井、林(文責)

(高妻山班) 深澤、熊谷、重泉、二階堂、船戸

 

1.         記録

筆者にとっては山旅会員として初めての本格的な山行となる戸隠西岳、高妻山(+新そば堪能)山行へ参加しました、筆者は戸隠班です。前日夜に熊谷をたち、上信越道を経て戸隠鏡池での前夜泊になります。戸隠神社側の鏡池では各自持ち寄った“お神酒”“お供え”で深夜の宴会となりました。個人山行が多く前日にしっかり睡眠をとる筆者には初めての体験です。いい加減酔っ払ったところで午前2時に仮眠となりましたが、さすが百戦錬磨のつわものの集まりと感心しました。夜半に雨となりましたが、6時起床時は雨もあがっています。朝食、出発準備をてきぱきとこなし、いざ出陣です。

(写真1)楠川からの登り

鏡池からは200m程度下ったところにある楠川を渡ってから登り始めます(写真1)。このあたりは里山歩きの感じで落ち葉を踏み踏み進みます。WEB情報ですと、この登山道入り口が迷いやすいとのことでしたが、りっぱな指導標もあり、すんなりと取り付くことができました。ただ沢を渡るところはやや判りにくいかなあ。

 

やや登りがきつくなったかな、と感じるころ、急に視界が開けて天狗原へ到着です(写真2)。ここまでは別のルートで林道があるようで、タイヤの轍があり、どうやら牧草地として使用しているようです。ぱっと見たところ、ゴルフ場の打ち上げのロングコースです、へたくそなゴルフをする筆者としてはこんなラフに打ち込んだら終わりだなあ、などと余計な想像を掻き立てられます。この“ゴルフ場”から霧の合間に西岳の尾根が見えて登頂意欲を掻き立てられます。

(写真2)天狗原

“ゴルフ場”からはきつい登りが始まります(写真3)。ただ高度を稼ぐと共に紅葉の進む尾根、鏡池を含む戸隠一帯の景色が見えてきて癒されます。途中には、熊棚(熊が木に登った後、木の実を食べるために枝を折った後だそうです。勉強になりました。)や幹に残された熊の爪の跡が点在していて、否が応でも緊張します。またこの先、P1までの登山道では獣のような匂いに付きまとわれました。

(写真3)

  出発から3時間程度たった所で、ぶなの樹林帯を抜けて鎖場があらわれはじめました(写真4)。ただ礫岩というのでしょうか、しっかりしたガバホールドの岩でこの辺りは、全く不安はありません。鎖場が断続的に続きますが写真に写っている副会長の後を追って、3点確保でどんどんと登っていきます。実はこのあたりから左膝に違和感を覚えていました、先月の穂高岳沢での下りで痛めた膝です。ただ、いままで登りで痛くなったことはなかったので、気にせずにほいほいと登り続けました、これが後に引く原因となったようです。

(写真4)

(写真5)は無念の峰を越えて蟻の門渡りを望んでいます、写真では蟻の門渡りを渡った後の垂壁のところで9人のグループがロープで確保して登っている様子が見えます。この無念の峰から蟻の門渡りに降りるのですが、ここの下降に緊張を強いられました。鎖で数メートル降りた後、オーバーハングになっている梯子までフリーでトラバースです。筆者は鎖の下降を十分行わずにトラバースに入ったので、梯子のさらに上に辿り着き、梯子に体重が移せずに苦労しました。ここは鎖で下降中、梯子が見えてももう一段下降を行ってから梯子に向かうとちょうど良い位置に出られるようです。写真の垂壁では向かって左側が谷底まで見事に切れ落ちており、当班もロープを使用しました。

(写真5)

垂壁をこなした後は程なくP1です、P1の手前で西岳への分岐となっています。P1くらいからガスが出て展望が利かなくなりました。西岳への稜線は笹の刈り払いもされ、りっぱな指導標もあり大変歩きよい登山道です(写真6)。西岳からは、鎖場となる西岳キレットへの下降です。ここは岩場ではなく、土の壁になっています。先に降りた山行リーダーが“ここは厳しいかった。”と下で話しているのが聞こえてきて、これから降りる筆者としてはどきどきものでした。

(写真6)

その先八方睨までの稜線には、崩壊した登山道に設置された鎖を伝ってのトラバースなどがあり、また稜線上からの岩稜尾根の展望もあり、退屈させません(写真7)。八方睨の最後の登り返しは、なかなかきついものがありました。

(写真7)

ようやく八方睨です、ここからの高妻山の展望は最高でした。先を急ぐので小休止のあと戸隠奥社への下山道を進みます。ここからが畳み掛けるような鎖場の連続でした。早速、難所である刃渡り、蟻の門渡りに出ました(写真8)。最初これを見たときはどこを歩くのだろうと思いましたが、写真のとおり両側が切れ落ちた痩せ尾根の上を渡ります。これは立って進むのは無理、と考えた筆者は尾根にまたがって(!)進みました。尾根にまたがるという概念がなかったので、大変貴重な体験をしました。

(写真8)

その後も、鎖場の連続でどんどん高度を下げていきます。途中小雨がぱらつきましたが、大降りになることもなく何とか薄暮のうちに奥社へ辿り着くことが出来ました。(写真9)

(写真9)

 

2.        反省

1.       個人的には膝の故障があげられます。ストック、サポーターの使用での膝の保護は有効との報告がなされていますので、今後それらの使用を検討することにしました。特に今回は班員にご心配をおかけしました。

2.     下山後に高妻班と落ち合う計画だったのですが、携帯電話、無線機等の連絡手段を持たなかったため、高妻班へ心配を掛けることになりました。下山が遅れた際の連絡手段についても前もって取り決める必要があるかもしれません。

3.     鏡池の駐車場ではトイレに水はありましたが飲用不可であり、飲料水が得られませんでした。せっかく20Lのポリタンクを持っていったのに、空のまま乗り込んだのは失敗でした。

4.     戸隠村から長野市へはバードライン→ループラインという道路を通ったのですが、行きに使用した道路と違って大変走りやすい道でした。お勧めです。

5.     戸隠西岳山行のあと、戸隠キャンプ場に泊まりました。その際に、どうすれば会員間の山行希望のマッチングをよりよく取れ活発な山行につなげられるか、大変興味深い議論がありました。そのための例会であり例会に出席すべきである、メーリングリスト等のネットでの連絡方法を充実させる等いろいろな意見が出ましたが、結論には至りませんでした。筆者としてもその部分についてはもっと良くする方法があるような気がしており、新人なりになんらかの方法を考えてみようと思います。

以上