第13回日本山岳耐久レース(長谷川恒男カップ)

スタート前の風景 スタート後、約1Km 完走Tシャツ

●期 日  2005年10月9日〜10月10(日)

●天 候  雨

●山域、コース等(ルート) 奥多摩南部(71.5q)

 五日市中グラウンドスタート→今熊神社→市道山分岐(795m)→醍醐丸→生藤山(990m)→土俵岳(1005m)→笹尾根→三頭山(1527m)→大岳山(1266m)→御岳神社(929m)→金比羅尾根→五日市会館ゴール

●装備等 シューズ:アシックスゲルトラブコ タイツ:CWーX プロモデル ザック28リットル 約9s ちょっと荷物持ちすぎか

中身 水2.3l、Wアミノバリュー500ml、アミノバリュー500ml

雨具、ヘッドランプ(ナショナルBF-266P)他

着替え

食料 カロリーメイトゼリー(200)、ウィダーインゼリー(180)、ライトミールドリンクゼリー(160)、モアインゼリー(159)、メロンパン(約400)、ヤマザキナイスステック(503)、ドラヤキ(180)、ロッテクランキーウオーキングバー(250?)、おにぎり3個(2個半消費、1個約180)

合計 約2300Kcal消費

●タイム・順位・出走者

 出走者(2018名)

 第一関門  5:38:46  1902人中934位
 第二関門 11:51:39  1290人中752位
 第三関門 17:13:13  1113人中682位
 ゴール   19:13:41  1111人中633位

●トレーニング 試走2回(鞘口峠〜つるつる温泉、小和田橋〜鞘口峠)

           男体山、甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)往復、北ア燕〜蝶ヶ岳縦走等

●プロローグ 雨、悩む装備

 9日一般道で現地へ(自宅からおよそ53キロメートル)。10時半頃現地到着。駅前の駐車場は既に満杯。仕方なく小和田橋を渡り、左折した河川敷の駐車場へ。会場までは20分位歩いた。まずは、中学校体育館へ行って見た。こちらも満杯である。やっと少スペースを見つけ着替えなどの荷物置き場を確保。その後、受け付け。体育館に戻り、腹ごしらえ(おにぎり2個と菓子パン1個)、まだスタートまで1時間半あったので大会パンフなどを見てのんびり過ごす。

 雨は止みそうにない。下の雨具をどうするか悩んでいたが、タイツの人がほとんどなので、下の雨具は身に着けないこにした。メガネにするかコンタクトにするかも悩んだ。長時間なのでメガネで行こうと思っていたが、雨なのでコンタクトにした。開会式では、昨年覇者の横山さん、富士登山の覇者、鏑木さんを見かけた(選手宣誓は鏑木さん)。この二人の優勝争いも楽しみだ。

 皆軽そうな荷物。自分だけが重い荷物を持っているような気がする。荷物を減らしたいが減らせない。受付場所に協賛メーカーが様々なグッズを販売していた。レース用のカーボショーツ、パワーバー等田舎では売っていない代物があった。抽選で外れた亡メーカーのタイツも見かけた。ザックも軽そうなのがあって欲しくなる。

●スタート〜第一関門  渋滞と暗闇の泥濘からの悲鳴

 目標タイム16時間のところに並ぶ。号砲からスタート地点まで2分。周りの雰囲気に呑まれ、ついハイペースで走ってしまう。今熊神社手前まで走った。ちょっとオーバーペース気味。神社からは前の人達のペースに合わせて歩く。山の登りになると暑くて雨具を脱ぐ。しばらくは快調であったが、そのうちに渋滞が激しくなりほとんど動かなくなる。30分〜1時間位はこんな状態が続いただろうか。あまりに動かないので、おにぎりを食べだしたら、急に流れがよくなり前の人達が走り出した。何とタイミングの悪いこと。

 食べながら走ったのでちょっと気持ち悪くなった。渋滞の原因は人が多いせいもあるが、滑って上りにくい急坂がで多くの人がスリップしていたのが原因だったようだ。渋滞で立ち止まっていることが多かったので3時間以上経過してから初めての休憩をとる。明るいうちは元気よく走り下りたが、暗くなってくるとそうはいかない。次第に荒れた登山道となり、気をつけて下りないとすぐに転んでしまう。日が完全に落ちると、ヘッドランプを点けてもバランスが悪くふらふらする。試しに、ヘッドランプを消してみたら真っ暗、明かりがないと恐ろしい。頭に着けると地面が見づらいのでヘッドランプは手に持って行動することにした。やはり、こんな天気にはLEDだと見づらいのか。あちこちで、転ぶ悲鳴が聞こえる。自分もその例外ではない。2週間前の山田昇杯のときも泥濘でかなり転んだが、その比ではない。醍醐丸から先はかなりばらけてきて渋滞はなくなった。

●第一関門〜第二関門  寒さと腹痛と車のキー紛失騒ぎ

 第一関門である浅間峠は休まず通過。休んでいる人をゴボウ抜き。試走したときよりも20程遅い。暗闇のため、ここから先は試走したときよりもはるかに時間がかかりそうだ。胃がムカムカしてくる。走りながら食べたおにぎりのせいか?相変わらず登りは滑って歩きにくい。三頭山までの登りは結構つらかった。

 この先、御前山と大岳山の登りもまだあることを考えるとうんざり。泥濘の登山道はかなり体力を消耗する。こんな調子で最後まで体力が持つのか不安。時計を見ながら、まだ、9時か、10時か、11時か、あと○○時間も歩かなければ、とか考えると気が遠くなる。が、反面、こういうレースはなかなか体験できないし、楽しい。何だがゾクゾクする。

 避難小屋で10分ほど休憩。寒くてブルブルしてくる。三頭山頂からの下りは急なので注意しながら下る。下りは皆遅いようだ。快調に下る。お腹の調子が悪い。こんなところじゃ、用も足せない。何とか第二関門まで持ってくれないかと祈る。鞘口峠で第二関門まで4kmと聞いたが、とんでもなく長く感じた。やはり第二関門まで持たない(お腹が)。登山道の脇に入り込み、なんとか一息ついた。登山道に戻り、車のキーを入れたウエストポーチをとんでもない現場に忘れたことに気づく。現場に戻って暗闇をヘッドランプで照らして探す。「くそぅ。レースどころじゃないぞぉ。見つからなかったら、困るなぁ」と呟きながら、暗闇の中を探しまくった。やっと見つかって一安心。第二関門の月夜見駐車場まではヘトヘトでちんたらと歩く。

●第二関門〜第三関門  限りなき転倒

 水1?、ポカリ0.5?補給。寒くてゆっくりと休んでいられない。何か温かいものが飲みたい。着替えもしたいが、ゼッケンを付け直すの面倒だ。歩き出せば寒さは何とかなる。ここからの下りもイヤらしく、よく滑る。3回〜4回は転ぶ。御前山まではアップダウンがあり、これもきつかった。御前山からの下りの泥濘はさらに今まで以上にひどかった。 慣れてきて調子づいて飛ばして降りると、一瞬、記憶喪失したような気分で勢い良く転んだ。わき腹に激痛。岩が当たったようだ。肋骨が折れたかと思ったが、大丈夫だった。大ダワで休憩していると、雨はますます激しくなってきたように感じた。大岳山へも道のりも長い。前の人の歩くペースが遅くて抜きたかったが、単独だとオーバーペースになりやすいのでそのまついて行く。大岳山でも一休み。空がいくらか明るくなってきた様子。ここからの下りは岩場が多く注意が必要だった。試走していたが、どんな道だったか良く覚えていない。岩場を越えると大分楽になったが、ペースが落ち、御岳山長尾平まではとぼとぼと歩いて行く。

●第三関門〜ゴール  復活

 御岳山でトイレ休憩をしたら、少し元気が出てきた。夜も明けヘッドランプも必要なくなってきた。少し小走りで最後の登り、日の出山へ。係員には「まだ余裕だねぇ。」なんて言われたが、そんな余裕はない。最後の登りということなので、ちょっと頑張ってみただけ。日の出山で最後の休憩。ここからゴーるまでちんたらと歩いていたら、20時間オーバーだ。気合を入れて一気にラストスパートに備える。

 まずは、階段をリズム良く駆け下り、子供のように水溜りをビシャビシャ足を踏み入れ水渋きをあげながら駆け下りて行く。後ろから抜きにかかろうとして迫ってくる足音が聞こえたので思い切り飛ばして突き放す。少しは離したと思っていたら、再び迫ってきた。さらにスピードを上げたが、後ろにピタリと付いてくる。気持ちよく30人以上は抜いただろうか。後ろの人も「こいつは抜かなければいけない」ような雰囲気を感じた。こんなに頑張ったのも久しぶり。山道からコンクリートの道になり、膝が痛くなってきた。くやしいが、ここで力負け。膝は大事にしよう!なんて負け惜しみ。ゴールが見え、ガッツポーズをとる。

●エピローグ  幻覚〜家に着くまでは・・・

 ゴール後、完走証がすぐに出た。完走Tシャツをもらう。泥だらけでは体育館に上がらせてもらえず。泥を落として、着替えてから、体育館へ。表彰式には出ず、すいとん汁、カップラーメン、おでんを食べ、ゴールする選手を見ていたが眠くなってきたので引き上げる。駐車場までが遠く感じた。山旅会のホームページに下山報告を書き込もうとしたが、携帯の電池切れ。帰路、運転がつらく高速道路で水溜りが見え、その水溜りに人が・・・何だぁ?幻覚かぁ?何度か見えたので一般道に下りて休憩。眠眠打破を飲んだがすぐには効かないようだ。眠さをこらえてやっとのことで家路に到着ゴールである。夕方から爆睡。翌日の仕事はとても元気に・・・のはずはありません。

 FINISHERのTシャツサイズが「L」だったのでチョッと大きすぎるなぁ。来年は「M」サイズを手に入れよっと。