2004年9月10日〜12日 北岳バットレス4尾根

メンバー:深沢、石川、羽鳥真弓、熊谷、重泉、島野

10日
 23:00熊谷 − 11日03:30奈良田04:00発 − 05:00広河原(仮眠)

11日
 10:45広河原−12:50二俣−14:00bガリー取付偵察−15:00二俣−15:40御池小屋

12日
 03:50御池小屋−04:20二俣−05:10バットレス沢−05:50bガリー取付
 −9:00 4尾根取付− 13:20終了点− 14:00北岳山頂14:30
 −16:20御池小屋16:35−18:05広河原 −20:00広河原発−(車)−13日01:30熊谷

経過:

熊谷23:00集合。石川さんの出張帰りが遅れたので、家まで迎えに行く。そして関越の高坂Pで先行の
島野さんの車と合流。そのまま圏央道、中央道、と走り、奈良田のゲートに着いたのが3:30過ぎ。
4:00開通なので少し仮眠する。4:00車のエンジン音で目がさめ、直ぐ林道に入る。
5:00広河原着。やはり例年と違って、車が少ない。さすがに直ぐは寝ず、少し飲んでから寝る。
もう明るくなってから寝た。寝たところはバスの待機所なのか、バスのエンジン音がうるさかった。

11日
9:00にはもう目がさえて起きてしまう。ゆっくりと朝食をとってから10:45出発。

大樺沢の道を行く。ガスで先は見えないが登りで暑過ぎないのがいい。二俣に着き昼食。石川さんが福岡みやげ
の餅(お団子だっけ)を持って来てくれた。とてもおいしい。
ここから、深沢、熊谷、重泉はbガリーへの道を偵察に行く事にした。石川、羽鳥、島野は小屋へ。
以前Dガリーへの道は行ったのだが、bガリーへ直通の道は知らなかったので、今回偵察に行ったが、道は簡単に
見つかった。取り付きに行くと他にも偵察に来ている人が数名いた。やはり明日登るそうだ。
静かな岩壁を見てゆっくり休む。こういうのも良いもんだ。やっぱり北岳に来て良かったとつくづく思う。
重泉さんからもらったバナナがおいしかった。
小屋に戻ると早速宴会の準備。まずビールで乾杯。その後、日本酒、ワインなど明日の登攀を忘れて
大いに飲んだ。17:00小屋の夕食が始まった(夕食は別棟)。我々は最後に食事する。メニューはカレー。
食事を終え、小屋の中に戻るとすぐ眠くなり寝てしまった。

12日
03:00目覚める。皆早くでかける。ほとんどがバットレスに行くようだ。我々もいろいろ準備して03:50出発
二俣を経て、バットレス沢出会いあたりで明るくなる。

bガリーに着くと、やってるやってる。沢山のクライマーが取り付いている。しかし幸いそれほど待たずに済むようだ。
ちょっとした落石が右の壁から落ちてくる。まあこの位は仕方ないか、と思っていると、正面からかなり大きな落石が
「ラクー、ラクー」の大声の中落ちてきた。途中で壁にぶつかり、砕けてより大量になって落ちてきた。
「こりゃ本気でヤバイ」と必死で石の落ちる方向を見て避ける。幸い我がパーティーには当らなかったが、
破片が他のパーティの女性が腕に当ってしまう。「なんてこった。」こんな落石が落ちる場所じゃないのに。
と思っているとまたもや、先ほどほどではないが大きな落石が落ちてくる。この落石が私の左上に居た人の
太ももにまともに当ってしまった。こちらに倒れてきたので、ロープを掴んで支える。見ると血が出ていて、
傷口は深さ3cmほど以上にもなっていた。こんな所で落石出すとは、全くどんなヘタクソが登っているのか?
しばらくすると落石はなくなった。

bガリーを行く石川さん 4尾根手前の壁 鳳凰山が良く見える

我々も登り始める。石川−深沢−真弓 組がまず先行。続いて、熊谷−島野−重泉 が登る。
登ってみると、快適で落石など落としようがない。3ピッチでロープを解き、少しルンゼを登ってトラバースに入る。
Cルンゼが見える所に来ると、4尾根の登攀が良くみえる。そこからイヤナCルンゼを登り、4尾根取付への逆層
気味の緩い壁をロープを付けて登り、トラバースして4尾根取り付きに到着。深沢さんがおどけて「通行止め」
とかやってる。

行くわよー 俺たちも行くぜい。 ビレイOK任せて。

さていよいよ4尾根登攀。1ピッチ目、重泉さんリード。クラックだが自分(熊谷)としてはかっこよくフリーで抜けた
つもりだがどうだろう。2ピッチ目も重泉さんリード。簡単。3ピッチ目熊谷リード。白い岩を登る。快適。
3ピッチ目で休憩時、島野さんに水とゼリーをもらう。疲労回復。先を見ると石川さんが、岩を乗り越えた所だ。
「コエー」とか言っている。そこ終了点ある?とか聞いてみるが話がうまく通じない。あとで分かったのだがV級の
核心部を越えた瞬間だったのだ。ヒーローインタビューを待っている選手に、トイレ何処ですか?と聞くような場違い
の話しかけになっていた。我々も4ピッチ目を行き、V級の取り付きに到着。それほど難しそうに見えない。
この5ピッチ目は重泉さんがリードする。島野さんもフリーで見事越えていく。私もフリーで(なるべくかっこよく)越えた。
1ピッチ目のクラック 1ピッチ目登る島野さん 3ピッチ目余裕の2人

そして懸垂下降。下降点は意外と狭かった。下では、次のピッチを石川さんが恐る恐るリードしているところだった。
我々も下降する。下降すると上部フランケを登ってきたパーティーが居た。
下降点から次の6ピッチ目は熊谷リード。やや細かい。その次の7ピッチ目は小垂壁があり、ここがヤヤ難しく感じた。
枯れ木テラスでピッチを区切る。8ピッチ目、後半は簡単になり、これで終りかとロープを伸ばすが終了点に届かず。
フォローで来た島野さんにそのまま終了点に先に行ってもらう。
V級核心越える石川さん マッチ箱の下降点だよー。 マッチ箱ピークが鋭い

13:15終了点到着。皆で万歳!。しかし時間はない。直ぐ北岳山頂へ向かう。

はい、登攀終了! やったぜい!

14:00北岳山頂。

今日は、真弓さんがちょうど誕生日であった。島野さんがなんとシャンペンとケーキ、ローソクを持ってきていて、
それで山頂で誕生日祝い。いやー凄いですねえ。

山頂に到着。 山頂の誕生パーティー

14:30北岳山頂から下山開始。急がないと日没までに広河原にもどれない。一生懸命下った。白根御池が
見えてからも、そこまで長かった。白根御池で休憩して広河原に着いたのは暗くなるちょっと前だった。

林道は20:00まで通行できないので、テントで寝る。私はしかし十分着ないで寝たので体が冷えて気持ち悪く
なってしまった。20:00広河原を後にする。私は林道の途中で戻してしまったが、なんとか回復した。
延々と走って、街に出て52号線のスカイラークで夕食。もう22:00だった。そして熊谷に着いたのは
もう次の日に入った01:30であった。

今回はバットレスを登ることができ、大満足であった。