中越/守門岳
保久礼登山口〜大岳〜守門岳(ピストン)
平成16年7月31日 CL.山田耕一 山田律佳・瑞穂・守門 |
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記/山田耕一 | ||
守門岳に家族で登るというのは、息子に守門(しゅもん)と名付けてからの計画である。最初に登ったときは、守門3歳、小雨の中、大岳登頂を果たして、11時間行動の末、日没間際にやっと下山した。守門岳山頂にまではたどり着けなかった。 あれから2年、その後2回計画したが天候に恵まれず断念。すっかり守門村ファンとなり、民宿「小西屋」さんに泊まっては、守門村と周辺の散策にいそしむ日々であった。 今回は、確実な登頂を目指し、完全に梅雨の明けた時期を設定、前夜登山口泊で行動時間をたっぷりと確保、という計画にした。もちろん山行後はゆったりと小西屋さんでくつろぐのだ。 |
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二口の登山口にある駐車場で泊まった。立派なトイレの隣にテントを張る。トイレの入り口にはなぜか小鳥の巣があった。鳥気?は全くなかったが、見捨てられてしまったのだろうか?軽い卵が数個入っていたのだが・・・。 この晩はほぼ満月で、ものすごい月明かりだった。寝付けずに娘と二人で夜の散歩に出かける。「なに、あれ!」という娘の声に、その指し示す方を見れば、ゆらゆらと灯りが点滅しながら近づいてくる。一瞬何事かと思ったが、蛍だった。 もう時期が遅いためだろう、蛍はこの一匹しか見ることが出来なかった。 |
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一体どうしたというのだろう? | ||
朝5時にはテントが明るくなり目が覚めた。天気は快晴、朝から日差しが痛いほどである。しかし、久々のテント泊、しかもアスファルトの上で寝たこともあって、最初からお疲れモードである。こんなことで大丈夫か? | ||
保久礼登山口にて、まだ寝ぼけ気味 | ||
登山口から10分ほど歩いた保久礼小屋の水場でのどを潤し、水筒をいっぱいにして登り始める。 今回は道も乾いているし、天気もいいし、快適に登れる。しばらく登っていると目も覚めてきて気分も良くなる。いくつかある水場の水もゆっくりと楽しみ、展望も愉しみながら高度を上げる。 |
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やっと笑顔が・・・山は楽しい | ||
赤とんぼの大群やオニヤンマの飛翔、リンドウのきれいな花などいろいろなものを眺めながら登っていく。写真のこいつは守門を恐怖に陥れた。下山の時もこいつに再会することを何よりも恐れていた。 | ||
こいつは何だ!・・・寄生蜂にやられた毛虫君? | ||
大岳山頂に到着。すでに登り切った気分だが、まだ先は長い。じりじりと焼かれるような日差しに挫けそうな気持ちになる。 前回よりもだいぶ早いコースタイムになると思っていたのだが、あまり変わっていない。う〜ん、結構時間が厳しいかもしれない。やっぱり子供にはきつい山なのだろうか? そんなリーダーの悩みも知らず、子供たちは鐘を鳴らすのが忙しいようだった。 |
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大岳山頂・・・どこまでも青い空が広がる | ||
二口への分岐までは前回もガスの中を歩いている。比較的緩やかで残雪も見られ、ニッコウキスゲがきれいだったはずだが、視界良好で歩いてみると意外と歩きにくいところがある。戻ることを考えると傾斜もきつく思えてくる。ずいぶん、印象って変わるもんだなぁと感じる。 それでも二口への分岐まではすぐだった。 |
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前回の最高到達点、二口への下りはきつかったなぁ | ||
登っているとときどき赤とんぼの群れに出会った。その群れの中をオニヤンマが飛翔している。当然、お友達同士というつもりでぼんやり眺めていたら、群れ飛んでいる赤とんぼの一匹をオニヤンマがむんずと捕まえ小枝に留まると、頭からガリガリ(音が聞こえてきそうなほどの勢いでした)と飲み込んでいく。びっくり仰天。家族そろってしばらくオニヤンマのお食事風景を時間のたつのも忘れて眺めてしまった。 | ||
赤とんぼを喰らうオニヤンマ | ||
青雲岳周辺は草原が広がる。風は気持ちいいのだが、いかんせん日差しが強い。まだか山頂は〜という気分にどうしてもなってしまう。 6〜7月なら花もいっぱい咲いているはずだ。もっといい季節に登りたかったなぁ。 |
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すでにお疲れ気味、こんなんで下山できるのか? | ||
ついに悲願の山頂に立ちました。しかし、すでに疲れ切っていて記念撮影も盛り上がりません。 山頂にはどこにも日差しを避けるところがなくて休んでいてもつらかった。お決まりのカップラーメンとコーヒーをいただく。登山客は少ない。暑いからだろう。 2年前は横断幕も作って持ってきていたが、今回はそれもなし。やっぱり作ってくれば良かったかなぁ。 |
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山田守門君、守門岳初登頂!(5歳10ヶ月) | ||
無事目標を達成して下山開始。 ほっとして疲れてしまってどうも気分が沈みがちになる。そんなときにニッコウキスゲの花に出会う。この花は、最初に登ったときにも私たちを元気づけてくれた。同じ場所でまた出会った。 大岳までの道は一部少し険しいところがある。 子供たちがふざけて「ヤッホー」とやっている。もしかするとと思って大声で「ヤッホー」と叫んでみた。「・・・ヤッホー」こだまが返ってきた!もう子供たちは大喜びである。何度も何度も家族そろって「ヤッホー」を叫んでしまいました。 |
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きれいな花に思わず笑顔 | ||
大岳からの下山にはいるとひと安心。気がゆるんだのか、瑞穂が頭が痛いと言い出す。そういえば、もう水もほとんどないし、おやつもなくなってしまった。まずは冷たい水を飲もうということで、天狗岩屋清水へ向かった。登山道から離れること5分ぐらいで到着。森の中の水場という感じでとても気持ちよく休憩が出来た。もちろん、水もおいしかった。 その後しばらく歩くと、守門が動かなくなった。脅してもすかしても駄目である。とうとう目に涙をいっぱいに浮かべて言葉もなく立ちつくす。 |
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もう歩けない!歩けない!もう歩けない! 誰がなんと言おうと歩けない! |
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このまま泊まるわけにも行かず、守門を抱っこして下ることにする。さすがに重たくなった守門を長くは抱っこしていられない。守門は歩き出すとすぐ眠ってしまった。腕の中でぐらんぐらんしながらも爆睡状態である。 20分も歩いたろうか、もう限界と思い、木に寄りかかって休もうとしたら、急に目を覚まして「寝ちゃったよ、へへへ」というと、にこやかに元気よく自分で下り始めた。泣いたことは記憶にもない様子だ。よっぽど眠かったのだろう。 こうして無事に守門岳登山が終わり、その夜はゆっくりと小西屋さんで疲れを癒した。 |
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とうとう抱っこされて下る守門 | ||
【コースタイム】 7/31 6:30保久礼登山口〜6:40保久礼小屋〜7:25キビタキ清水〜8:30展望台〜8:55不動平〜 9:00天狗岩屋清水〜9:20大岳山頂〜10:00アミハリ〜10:40二口への分岐〜 11:00青雲岳山頂〜11:20守門岳山頂(1hr休憩)〜13:00二口への分岐〜14:15大岳山頂〜 14:50天狗岩屋清水〜15:20展望台〜17:00保久礼小屋〜17:30保久礼登山口 |