高田ウルス山にて

ムショでおもったこと              高田 兵庫

ワスカランへのトレーニングで足を負傷してしまった私は、残念ながらワスカランの高所へはいけなかった。(6/20の富士山下山中、足首を捻挫し、帰途車を運転してきたのですが、くるぶしの部分で腓骨が折れていました。)7月の半ばまでに治り、高いところにも登るつもりでいたのですが、身体は正直で、プラブーツが足首を圧迫して痛く、一週間ほど麓のムショ暮らしになってしまった。

 毎日ワスカランやワンドイを眺め歩いていました。意外に天気が悪く、登っている連中を案じてはいましたが、麓のワンデリングは爽快で、一週間はあっというまに過ぎてしまった。

 日干しレンガの農家へは、緑の小路が続き、家の前には清い水路が流れ、花々が咲き、犬や豚、牛、羊、鶏などが庭先に放され、ある意味での桃源郷的な風景は、私が疎開していた頃の、50年も、もっと昔の日本の農村の風景に通う世界があって、懐かしかった。

そして時折、「カラメロ、カラメロ」と黒い顔をニッとほころばせて人なつこく寄ってくる子供たちを見るたびに、この子供たちにこの笑顔と同じ明るい将来がくるといいなーと思った。

 それにしても海外の山も、日本の山も、気負いこんで行くよりも、たのしく、らくに行くのがいいなと思っています。これはトシからくるものでしょうか。やはりたのしく安全に山に行くには、普段のトレーニングもやはり必要になってくるのでしょうね。

ムショから見たワンドイ山