石川隊報告
Team石川は、石川・島野・熊谷の順で全て登攀。途中で降りるわけにもいかないし、
山頂までたどり着けるか不安だったが、まあなるようにしかならないとあっさり腹をくくった。
上に行ったらどんなものが見られるのか、ワクワクしながら登攀開始。
熊谷さんから1ピッチ目はやや難しい所があると聞いていたが、夢中だったのでそれがどこなのか
よく判らないうちにテラスに到着。
上のビレイ点が狭いため、森田さんチームが上へあがるまでしばらく待っていたが、
石川さんが痺れを切らして登り始める。2ピッチ目終了手前、石川さんは3ピッチ目苦戦中の
森田さんチームからルートを訪ねられた様だが、「わかんないっ!」と冷たくあしらっていた
(おーっと!石川さん、早くもいっぱいいっぱいか?)。
核心部は右よりに登るよう熊谷さんのアドバイスがあったが、どこが核心なんだ?と思っているうち、
にっちもさっちもブルドック状態(古っ!)。降り返って熊谷さんに訊ねると、どうやら登り過ぎたようで
もっと手前で右だったらしい。仕方が無いので、すぐ下にいた熊谷さんにも少々降りてもらい右へ移動。
以後、熊谷さんに追い立てられるようにしてクリア。
3人立つのがやっとの狭さで、こんな所でビレイするのかとビックリ。
でも2ピッチ上がって眺望が開け気持ちが良い。
問題の3ピッチ目。石川さんは「くそっ!何でこんなに重いんだ」と、背負ったザックとジャラジャラ
ぶら下げた登攀用具とご自分の体重に悪態をつきつつ、核心と思われる箇所でフリーズ。
しばらくの間、苦戦中の石川さんを眺めてレイバックってああやるんだーと感心したり、
のんびり景色を堪能しつつ熊谷さんと楽しく世間話をしていた。
いい加減飽きてきた頃、上からテンショ〜ンと悲しそうな声がかかり、数回テンション後A0で
石川さんクリア。
おかげでどこでヌンチャクをつかみ、どこでボルトに足をかければいいかじっくり動きを観察できたので、
このピッチの攻略法(A0で)はバッチリ。と思いきや、いざ登ってみるとレイバックのやめどころがわからず、
熊谷さんに「もうそれくらいにしておかないと手がもたないよ」と止めてもらわなかったら、
またもやブルドックになる所だった。後は予定の攻略法通り何とかクリアして一安心、
ぴったり後につけていた熊谷さんも涼しい顔でテラスへ上がってきた。
広いテラスで大休止をとる事にして、後続のパーティに先に行ってもらう。
熊谷さんと私は足が痛くてたまらず、シューズを脱いでホッとひと息。
石川さんが疲れた時はクエン酸、とグレープフルーツをわけてくれた。
あれほど荷物が重いって文句たらたらだったのに、丸ごと持ってきたの?石川さん!?
この後の事はあまり記憶に残っていない。3ピッチ目でかなり疲労していた石川さんに、
熊谷さんが何度か「トップかわりますよ」声をかけたが、ここまで来て譲ってなるものか!
と石川さん頑張る。
熊谷さん曰く4ピッチ目からは楽勝との事、近頃熊谷さんの「大丈夫ですよ〜」の言葉にして
やられる事が多いので話半分に聞いて警戒していたが、慎重に探せばしっかりとしたホールド
が見つかるので、適度な緊張感で最後まで楽しめた。
最終7ピッチ、宮脇さん達の話し声が聞こえるなと思っていたら、あっという間に到着。
満足そうな笑顔の石川さんとガッツリ握手をして、初アルパイン完登の喜びを実感。
程なく熊谷さんも到着して全員集合、やったー!皆さんお疲れ様。森田さんチームの皆さん、
暑い中長らくお待たせしてスミマセン。
普段頭の中が雑念だらけの私が、こんなに集中して無心になれたのは久しぶりだったので、
とても清々しい充実感でいっぱい。全てはトップの石川さんのお手本と、後方から熊谷さんの
的確なアドバイスがあったからというもの、頼れるお二人のおかげで安心して登ることができた。
いや〜楽しかった!!
(島野記)
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