二子山。中央を登った。
まず森田さんリード
続いて坂上さん
さらに宮脇さん
2ピッチ目はカンテ
核心の3ピッチ目をリードする石川さん
4ピッチ目を行く島野さん
5ピッチ目のフェース
6ピッチ目を開始する所
こんな景色でした。
暑い山頂に到着
1.森田隊報告

●山行日、天候    6月20日(日)くもりのち晴れ
●目的地、グレード  アルパインルート 二子山西岳中央稜 L級下
●参加者        森田隊(森田、、坂上、宮脇)
              石川隊(石川、島野、熊谷)
●森田隊 タイム   取り付き 9時頃
              終了点  12時半頃

二子山北面の駐車場には車1台のみ。股峠までわずか5分。取り付き点に8時20分頃到着。
誰もいない。登攀渋滞は避けられそう。

1ピッチ(M)
 森田隊は全て森田さんがリード、2番手坂上、3番手宮脇で全てのピッチを登攀。
森田さんリード、坂上がビレイしてフォロー。2番手坂上、いよいよ登攀開始。
心の準備はできていないが、始まった。昨日のパンプの疲れも残っている。登り始めから、
カムが外れず宮脇さんに回収を任せる。このピッチのバンド状の核心を登るのに必死で、
クイックドローを回収するのを忘れ、苦戦。登りすぎてしまったので、がなかなか外れない。
はやくも 落下しそうになる。が、どうにかクリア。ヤレヤレ。

2ピッチ(Nー)
 坂上フォロー。1ピッチより難しく感じる。やっとのことで、狭いビレイ点にたどり着く。

3ピッチ(N)
 宮脇さんフォロー。森田さん、ルートがよく分からず苦戦。2ピッチ目リード中の石川さん
に聞いてみるが、それどころではない様子。熊谷さんから、右側クラックを直上とのこと。
見た目ではさほど難しそうに見えないが、取り付いてみると、クラックがなかなか登れない。
お助け紐はどこ?核心はこのクラックなのか、この上部なのかよく分からないが、クラックを
抜けるのにかなり手こずった。冷汗ものでした。とにかく腕がパンプする前に登れてホッとする。
クラック上部は夢中で記憶ナシ。大テラスで小休憩。石川隊がなかなか来ないので、次のピッチへ。

4ピッチ(Mー) 
 坂上フォロー。ちょっとしたハング気味の箇所もあり、そう簡単ではない。

5ピッチ(M)、6ピッチ(L+)
 このピッチは記憶喪失。が、大変だったのは忘れていない。4ピッチ目からは
 楽勝とか聞いていたが、とんでもありません。真剣勝負です。

7ピッチ(K) 

 宮脇さんがビレイ中、後続パーティが追いついてきた。谷川岳がダメだったので、こちらに着たようだ。

 稜線に出てから、宮脇さんが無線で熊谷さんと交信。まだ、5ピッチ目ということで時間が
かかりそうなので、森田さん、宮脇さんボルトの打ち込み練習。1時間以上は待っただろうか、
暑くて喉がカラカラ。森田さん、坂上は持参した水が足りなくて、喉が枯渇。
そのうちに石川さんが疲れ切った様子で登ってきた。
森田さん、宮脇さんが打ち込んだボルトをとてもうれしそうに利用してセカンド、サードのビレイ。
島野さん、熊谷さんも無事到着。
 二子山西岳山頂まで行き、記念撮影。稜線歩きもなかなか手強い。一般道(結構急坂)で
股峠から駐車場へ。薬師の湯に立ち寄って帰る。

坂上


石川隊報告

Team石川は、石川・島野・熊谷の順で全て登攀。途中で降りるわけにもいかないし、
山頂までたどり着けるか不安だったが、まあなるようにしかならないとあっさり腹をくくった。
上に行ったらどんなものが見られるのか、ワクワクしながら登攀開始。
熊谷さんから1ピッチ目はやや難しい所があると聞いていたが、夢中だったのでそれがどこなのか
よく判らないうちにテラスに到着。

上のビレイ点が狭いため、森田さんチームが上へあがるまでしばらく待っていたが、
石川さんが痺れを切らして登り始める。2ピッチ目終了手前、石川さんは3ピッチ目苦戦中の
森田さんチームからルートを訪ねられた様だが、「わかんないっ!」と冷たくあしらっていた
(おーっと!石川さん、早くもいっぱいいっぱいか?)。
核心部は右よりに登るよう熊谷さんのアドバイスがあったが、どこが核心なんだ?と思っているうち、
にっちもさっちもブルドック状態(古っ!)。降り返って熊谷さんに訊ねると、どうやら登り過ぎたようで
もっと手前で右だったらしい。仕方が無いので、すぐ下にいた熊谷さんにも少々降りてもらい右へ移動。
以後、熊谷さんに追い立てられるようにしてクリア。
3人立つのがやっとの狭さで、こんな所でビレイするのかとビックリ。
でも2ピッチ上がって眺望が開け気持ちが良い。

問題の3ピッチ目。石川さんは「くそっ!何でこんなに重いんだ」と、背負ったザックとジャラジャラ
ぶら下げた登攀用具とご自分の体重に悪態をつきつつ、核心と思われる箇所でフリーズ。
しばらくの間、苦戦中の石川さんを眺めてレイバックってああやるんだーと感心したり、
のんびり景色を堪能しつつ熊谷さんと楽しく世間話をしていた。
いい加減飽きてきた頃、上からテンショ〜ンと悲しそうな声がかかり、数回テンション後A0で
石川さんクリア。
おかげでどこでヌンチャクをつかみ、どこでボルトに足をかければいいかじっくり動きを観察できたので、
このピッチの攻略法(A0で)はバッチリ。と思いきや、いざ登ってみるとレイバックのやめどころがわからず、
熊谷さんに「もうそれくらいにしておかないと手がもたないよ」と止めてもらわなかったら、
またもやブルドックになる所だった。後は予定の攻略法通り何とかクリアして一安心、
ぴったり後につけていた熊谷さんも涼しい顔でテラスへ上がってきた。

広いテラスで大休止をとる事にして、後続のパーティに先に行ってもらう。
熊谷さんと私は足が痛くてたまらず、シューズを脱いでホッとひと息。
石川さんが疲れた時はクエン酸、とグレープフルーツをわけてくれた。
あれほど荷物が重いって文句たらたらだったのに、丸ごと持ってきたの?石川さん!?

この後の事はあまり記憶に残っていない。3ピッチ目でかなり疲労していた石川さんに、
熊谷さんが何度か「トップかわりますよ」声をかけたが、ここまで来て譲ってなるものか!
と石川さん頑張る。
熊谷さん曰く4ピッチ目からは楽勝との事、近頃熊谷さんの「大丈夫ですよ〜」の言葉にして
やられる事が多いので話半分に聞いて警戒していたが、慎重に探せばしっかりとしたホールド
が見つかるので、適度な緊張感で最後まで楽しめた。
最終7ピッチ、宮脇さん達の話し声が聞こえるなと思っていたら、あっという間に到着。
満足そうな笑顔の石川さんとガッツリ握手をして、初アルパイン完登の喜びを実感。
程なく熊谷さんも到着して全員集合、やったー!皆さんお疲れ様。森田さんチームの皆さん、
暑い中長らくお待たせしてスミマセン。

 普段頭の中が雑念だらけの私が、こんなに集中して無心になれたのは久しぶりだったので、
とても清々しい充実感でいっぱい。全てはトップの石川さんのお手本と、後方から熊谷さんの
的確なアドバイスがあったからというもの、頼れるお二人のおかげで安心して登ることができた。
いや〜楽しかった!!
(島野記)