目的地 前穂東壁Dフェース田山=山本ルート

登山期間 10月2日

メンバー-  深澤 巧(熊谷山旅会)、丸山利夫(高嶺会) 天候 曇り後雨

行程 5:40奥又白池発−8:20登攀開始−11:30取り付き点−14:00奥又白池

<概要と反省>

10/1(金) 8:20沢渡第一駐車場発。タクシーで上高地。9:00上高地発。11:00徳沢発。新村橋を渡りパノラマコースを辿り、二つの沢が合流しているガラ場から松高ルンゼをclimbing。ずいぶん時間を費やしたがやっと中畠新道に出た(実は出会いに中畠新道入り口があった)。さらにつめて久しぶりの重い荷物に疲れ切ってやっと奥又白池に着いた15:20。綺麗な池で美しい。既に3つテントが張ってあった。みんな写真家である。北尾根、蝶が岳が見え、特に前穂の壁がそそり立っている。残雪がわずかにあった。カメラを車の中に忘れたのが惜しまれる。

10/2(土) 5:40発。踏み後を辿り、枯れ草のトラバースやがてガレ場を詰めてC沢に大きなチョックストーンの手前の右から登りしばらく行くと大きな滝、左の踏み後のある草付きに逃げてインゼル稜線で戸惑っていたら懸垂下降点があった。B沢に下りて前穂東壁の下に到着。少し左の安定した所で準備をして8:20登攀開始。1ピッチ目凹状の草付きを右上。2ピッチ目はピンべたのスラブA0で上がる。3ピッチ核心はA1となっていたがA0で快適に登れた。4ピッチ目丸山がリード鐙をかけて体重をかけたらピンのシュリンゲが抜けて墜落5mほど落ちて止まる。腰を激しく打って痛がっている。何とか上に抜けるしかないと思い深澤リード。1ピンは鐙をかけて登り、赤茶けたボロボロ岩だが傾斜は甘くなりほっとして、呼吸を整えていたら突然墜落。20mほどで止まり腰を激しく打って空中に止まる。脇腹が痛い。下を見たらハーケンが何本か打ってあってシュリンゲもぶら下がっている。下げて貰って振り子でシュリンゲの着いたピンにセルフビレーを取り一安心。丸山は懸垂下降して下のビレー点に到着。深澤も懸垂で下り合流。さらに懸垂してやっと11:30取り付き点に戻った。ガラガラのB沢を下り、途中懸垂下降点を見つけ、3つの滝を50m懸垂下降。その後は傾斜が緩くなった。濃い霧と雨の中ずぶ濡れになって14:00奥又白池到着テントに潜り込んだ。  10/3(日) 7:20奥又白発。やがて雨が落ちてきた。尾根を下る中畠新道は楽だ。途中転んだら脇腹が又痛くなった。徳沢10:00。バスで沢渡へ。沢渡13:00発。17:00東松山着。

丸山の話では深澤の墜落の時、岩と泥も一緒に落ちたという。先日の台風21号の雨と昨日の霧雨により岩がゆるんで落ちたものと思われる。前穂の頂上が踏めず2人とも墜落、怪我と無惨な敗退であったがとにかく2人とも大事なく下山できてほっとした。脆い岩と雨にないた山旅であった。 記録:深澤巧