【 沢 名 】 阿武隈川南沢右俣
【 山 域 】 阿武隈山塊
【 日 時 】 2003年7月19日(土)
【 天 候 】 曇り時々小雨
【 ルート 】 大黒屋さん手前のP 7:15→7:20阿武隈川→7:55南沢→
       12:10奥の大滝→13:40奥の二俣→15:00〜16:00山頂16:25→
登山道経由P (特別遅いので参考になりません。)
【メンバー】 S(ベテラン)、K(ベテラン)、I、Y、H、(以上初体験)、園
【 地 図 】 1/25000 甲子山

来週予定している縦走に向けた最後のトレーニングを兼ねて、会社のクラブの山行に参加しました。6名のうち3名は沢登り初体験です。
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朝から降っていた雨も登山口で準備が終わるころには幸いにも止みかけてきた。フロントからご丁寧に挨拶をしてくれた大黒屋さんの敷地を抜け、右から合流する白水沢を見やり穏やかな本流を遡行開始。二つ目の大きな堰堤を右から高巻いて200mほどで南沢の出合いである。
先週古賀志山の岩トレで「これなら連れて行かれるかな」と思ったHさん(若い女性)であるが、猟師と一緒に藪山・雪山を歩いているというふれ込みの割には足どりが覚束ず、ちょっと不安。

未だ新緑のような森の中の沢をワイワイと行ってすぐに出会った最初の10m滝はKさんが張った固定ロープにユマールで確保して初体験の3人とも突破。
私もユマールで確保して上がると、「北鎌行こうって人がこんなとこでロープ使うの?」てなチャチャを入れらる。

Hさんは滝の登攀ははともかく歩きが極端に遅い。時間短縮のためこれ以降の滝はトップが張った固定ロープを使ってIさん、Yさんがユマールで登り、続いてHさんがトップロープで登ったら3人で次の滝まで先行してもらい、トップがロープを回収している間に残る2人がソロで登ることにした。

奥ノ大滝(30m)もトップのKさんは中間支点が取れずフリーソロ、トップロープのHさんに付き添ったSさんも成り行きでフリーソロ。ラストの私にはロープを投げ下ろすので待っていてくれと言われたが、すでに中間テラスまで登っていたので下を見ないように慎重に登ってしまった。フリークライミングに比べれば簡単とは言え、高さが高さだけに滑らないよう緊張感が味わえた登攀だった。

時間が大幅にかかった事を除けばまあまあ順調に全ての滝を終え、詰めの右沢へ入ったころからHさんの疲労が激しく、更にペースダウン。水流は消えたが転落したらどこまでも落ちそうなナメを詰めていくと、先行しているIさん、Yさんの「ラク〜!!」という叫び声が遠くに何度となく聞こえてきた。初めは笑って聞いていたがそのうち「ラクー!!!」の声が真近になり落石の気配がしてきた。

樹間かすかに二人の姿が見えた時、二人の大声とともにいくつもの落石が向かってきた。幸い当たることはなかったが危険すぎるので二人に一切動かないように言って、右のざれた山腹へ移動する。先行した私がようやくフォールラインをかわしてザレた山腹のわずかな潅木にセルフビレーを取った時、Iさんが動いてしまい大落石が、H,K,Sさんを襲った。
大事故か!と思ったが、幸いにも?Hさんの手首の裂傷とKさんの腕の打撲だけで済んだ。とは言えHさんの出血がひどく、不安定な斜面での応急処置に随分と時間がかかった。腕が使えなくなったHさんを50mいっぱいに延ばしたロープで引きずり上げたが、こういうアクシデントに対して私には力仕事以外になす術がない。すべてSさん、Kさんがやってくれた。

その後岩壁のセミになっていたYさんをKさんが救出。足場が崩れて3mほど転落したというYさんの腕の傷が痛々しかった。

大事は至らず皆元気に下った下山道では地蜂の群れの襲撃に会い、5人が数箇所づつ刺されるというおまけまでついた山行だった。たまたま朝宇都宮の某救急病院の駐車場に車を停めていったので、帰路何人かは怪我とハチ刺されの治療を受けて帰った。
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昨年のヒツゴー沢といい、今回といい、H社山岳部の沢登りのハプニングは恒例になりそうです。