【 目的地 】 流石山(1812.5m)
【 山 域 】 那須
【 目 的 】 1.秘湯 2.山スキー
【 用 具 】 フリートレック 99cm +登山用プラシューズ
【 日 時 】 2003年3月29日(土)、30日(日)
【 天 候 】 29日曇、30日快晴・無風
【 ルート 】 29日深山ダム林道9:40→11:15三斗小屋宿→14:05三斗小屋温泉
      (途中休憩、講習会あり)
       30日三斗小屋温泉8:05→8:50 1460m尾根上9:40→9:50中ノ沢渡渉10:30
       →11:10大峠11:25→12:15流石山13:05→13:20大峠13:30→14:45那珂川
       源流の橋15:20?→16:00?林道駐車位置  
【メンバー】 園 他全43名
【 地 図 】 1/25000 那須

冬季閉鎖中の秘湯、那須三斗小屋温泉大黒屋さんを特別に開けてもらって宿泊できるという魅力的なプランに牽かれて栃木県山岳連盟の山スキー講習会に行って来ました。天気も斜面も雪も良く、山スキーで初めてゲレンデのような滑りを堪能して満足です。
******************************************************************************
29日(土)

生徒30数名がA,B,Cの3クラスに分かれ、私は初心者のCクラス。一応ゲレンデスキー歴は ウン10年なのになぁ。目指せ、Aクラス!

深山ダムの北端に車を止め、体操をして出発。私のクラスの先生は時々ジムでクライミングも教えてもらっているYさんと中年女性の2名だった。林道をダラダラ登って三斗小屋温泉宿の先で那珂川源流との碑がある橋を渡ると傾斜がきつくなる。そのルート脇の急斜面で1時間ほどかけて弱層テストやビーコン、ゾンデ棒を使った捜索の訓練を実施。弱層が見つかった時に諦めて帰るかどうかの決意が一番難しそうだ。

急登へ入ると中年女性の多いCクラスのペースは益々落ちて、こりゃ堪らんと勝手に抜け出して三斗小屋温泉に先に到着。 Aクラスの講師たちはザックを降ろすなりスコップを取りだし雪洞を掘り始めた。え〜、到着後雪洞作り体験って書いてあったのは冗談じゃなかったの?
2時間ほどかけて泊まりもしない大小3つの雪洞を完成させた後、ようやく宿の秘湯に浸かって飲んだビールの旨かったこと。最高! お風呂も最高! 時間を超えての長湯に女性陣に叱られた。

出発が遅れて大丸温泉からこちらに向かったNさんから4時ごろ電話があり、余りの強風で峰の茶屋を越えられずあきらめるとのこと。楽しみにしていたのに残念。この夜は一晩中強風が吹き荒れていた。

30日(日)
昨夜の強風もすっかり収まり、放射冷却で寒いけれど朝日が眩しい。朝食後、昨日の雪洞の埋め戻しに朝からたっぷりと汗をかかされる。ほとんど体育会系山岳部の乗りだ。

小屋の北西にある尾根上の平坦部(1460)へトラバースであるが、昨夜の強風でテカテカのアイスバーンと化した斜面にてこずり大分登り返しを強いられた。広い尾根上で全員の到着を待ち、いよいよ峠沢と中ノ沢の二又を目指して標高差260mの滑走である。北斜面は雪の状態も良く、先々週ゲレンデで丸二日間滑りこんだお陰でミニスキーも完全に物にでき、我ながら最高の滑り。奇声を発しながらあっと言う間に二又に着いてしまった。最高のシチュエーション、もっと楽しみたかったなぁ。中ノ沢を渡渉する時に深い淵に板を流してしまった女性がいたが、スノーソーを使って切り出した長い木を使って何とか回収できた。これだけ大勢の人がいると知恵も装備も何でもあって安心だ。

峠沢と中ノ沢の間の尾根を詰め、峠沢のスノーブリッジを渡り急登を一気に大峠まで登る。森林限界になっている大峠が終点というC組の女性陣と付き添いの講師を後に、板を背負って尾根の南斜面を流石山を目指す。太陽に照りつけられて緩みがちになってきた斜面をがんばって登るとついに流石山である。山頂での大休止に皆思い思いに昼食をとるが、中学生の息子さんを初めて山スキーに連れ出したベテランTさんがよほど嬉しかったのだろう、大はしゃぎして何度も沸かしているお湯をこぼしてしまった光景が皆の笑顔を誘う。

さて、いよいよ滑降の時間がやって来た。最初にCクラスが滑ることになっていたが用意が遅く、Aクラスに先を越されてしまう。Aクラスと一緒に先に行って良いというY講師の言葉に、ゲレンデと見まごうような広くてコンディションの良い斜面を大峠まで一気に滑り降りた。途中雪崩れた跡があったけど弱層テストは良かったのかなぁ?
一緒になったNiftyのFさんから「園さん、ミニスキーでそれだけ滑れるってかなりスキーやってたでしょ?」とお褒めの言葉をいただき得意満面、えっへんの3乗である。

大峠からは二又までの疎林帯の緩傾斜を一気に滑り降り、今度は板を流さないように慎重に中ノ沢を渡渉する。20mほど登り返して後はトラバース気味に三斗小屋宿を目指す。たいして複雑な地形で無いのに 現況と地形図が一致しないような気がして現在位置をロスト。本で読んだストレートウォークで南の沢を目指す。この沢の渡渉で何と過激派講師のKさんが板を沢に流してしまった。幸い浅い沢だったので余り苦労することなく回収できたが、用心用心。

三斗小屋宿からしばらくは緩斜面ながら快適なスピード滑走が続いたが、更に傾斜の緩んだ林道になるとフリートレックの苦手とするところで全くスピードが出ず、歯軋りである。たまらずヒールフリーにしてクロカン走りで滑り降り、往きにスタックしてしまい放っておいたKさん、Tさんの車を掘り出して楽しかった講習会が終わった。

今回のコースは斜面、雪質とも私にとって最高でした。今シーズン数回行った山スキーで、山スキーとは登行用具かと勘違いしかけていたのですが、ゲレンデ同様の滑りの魅力を満喫してきました。

03/04/11(金) 18:02 常吉(EZB05566)