山行記録
目的:南八ヶ岳 赤岳主稜登攀
形態:登攀
実施日:2003年1月19日(日)前夜泊日帰り
天候:晴のち雪
参加者:深澤巧、石川敏朗(記)
行程等:
 6:30 赤岳山荘前出発 8:40 /9:17行者小屋 10:18 地蔵尾根から取付きへの分岐
 13:34/13:55赤岳山頂 14:40/15:23 行者小屋 16:02 美濃戸山荘前 16:10 赤岳山荘前
主な装備(以下を各人)
 ザイル:9mm × 50m カラビナ:10枚程度 環付カラビナ:2〜3枚
 ハーネス、ヘルメット、アイゼン、ピッケル、その他冬山装備
印象など
  要約すれば「寒かった、怖かった、疲れた、無我夢中だった(何ピッチあったかも覚
 えていない)、深澤さんに感謝」。
  また、登攀開始時刻が遅かったため、順番待ちも後続パーティーも無く快適だった。

 以下詳細。
  前の週に風邪をひいてしまい行けなくなった赤岳主稜に、なんと前夜泊日帰りで挑戦す
 ることになった。
 1/18(土)16:00出発のはずが、集合場所の打ち合わせ不足で16:30になってしまった。
  初っ端から深澤さんすいませんでした。
  途中、夕食購入、ガソリン補給をし、雁坂トンネル経由で美濃戸口へ向かう。
  赤岳山荘駐車場に着いたのは21:00頃だったか。車脇にテントを張って、おでん・
  うどんで夕食&宴会。呑み終わると同時にバタンキュー。
 1/19(日)5:30頃起床、前夜のおでん汁にうどん、餅の朝食後、6:30頃出発。
  歩き始めこそ深澤さんに着いて行ったが、あっという間に姿が見えなくなる。
  行者小屋まではちょうど良い具合に雪がついていて歩きやい上に途中待ってもらっ
  たにもかかわらず、深澤さんからうん十分遅れで行者小屋着。この先が不安なため登
  攀に不要な荷物は小屋前にデポし、取付きへ向かうが、またまた遅れてしまう。ちな
  みに行程等に記した時刻は石川のものです。深澤さんのスピードを想像してみてくだ
  さい。
   文三郎尾根から取付きへは急斜面のトラバース。深澤さんから「ピッケルのシャフ
  トはもっと斜面に垂直に近い角度で刺せ(こんな長ったらしい言葉使いではありませ
  んでしたが)。」をはじめとして「クーロワールの通過は危険だから早くしろ。」その
  他の指示があるが慎重に一歩ずつ踏みしめる事しか出来ない。
   取付き到着時点では既に疲れており不安いっぱいで登攀開始。
   既に曇っていたが、雲は高く、阿弥陀岳、南アルプスから蓼科山まできれいに見え
  る。
   深澤さんリードでリッジ末端右側を登る。ここではなんとかコールが届く。
   石川が続くが、登りはじめの垂直な凹角はホールド、スタンス選びにやや手間取る。
   取りつくまではツルベで登るつもりだったがあっさりあきらめてしまう。
   しかし、ここが核心だったようで、他は体力勝負。3ピッチ目以降は二級のピッチ
  が多く後半はツルベで登れた。
   12時頃から徐々に風が強くなり小雪も舞い始める。視界も悪くなり景色を楽しむ余
  裕など無くなる。
   最後は深澤さんリード。ビレイ中に寒暖計を見ると−10℃程度。体を動かしていれ
  ばなんとかなるが、ビレイ中は怖くなるほど寒い。本格的に寒くなったらどうなって
  しまうのだろう。
   フォロウ石川の登攀開始からはコンティニュアスで山頂へ到着。小屋前でガッチリ
  と握手を交わし写真撮影後一服。

赤岳山頂の深沢さん 同じく、石川さん

  雪が激しくなり遠くが見えない。大急ぎで文三郎尾
  根を通って下山。大分疲れていたようで、ピッケルを落としてしまったが突き刺さっ
  て止まった。ピッケルを落とすなんて初めてのこと。大分疲れが出ていたようだ。
  階段の上までは石川が先を歩くが、ペースが保てず、深澤さんに先行してもらう。
   行者小屋前で大休止後、美濃戸山荘目指して超特急・休憩無しで下山。
   なんと約40分で自己最短記録達成だが、車に着いた時にはヘナヘナ。
   雪はますますひどくなってきたため、急いで荷物を詰めこみ帰途につく。
   帰りの運転では、前夜泊日帰りで赤岳しかも主稜を登ってこられた満足感というよ
  り興奮のせいか、ほとんど眠くなることが無かった。しかし思い返すと、何度か危な
  い場面があり、かなりボーっとしていたようだ。深澤さん怖かったでしょう。すいま
  せん。
 翌日 少し指が痛む。軽い凍傷?そんな馬鹿な。単なる疲れだろう。

 以上、大興奮・大満足の登攀でした。