山行記録
目的:南八ヶ岳 横岳石尊稜登攀
形態:登攀
実施日:2003年2月21,22日(日)前夜泊1泊2日
天候:2/21曇のち雪、2/22雪のち曇
参加者:高田兵庫、深澤巧、石川敏朗(記)

行程等:
2/21 7:00赤岳山荘前出発>8:08林道終点>9:15/11:00赤岳鉱泉>12:00石尊稜末端
 >13:00下部岩壁取付>14:00下部岩壁上部>15:30赤岳鉱泉
2/22 9:00赤岳鉱泉>9:55赤岳山荘前

主な装備
 ザイル:9mm × 50m 二本
以下を各人
カラビナ:10枚程度 環付カラビナ:2〜3枚
ハーネス、ヘルメット、アイゼン、ピッケル、その他冬山テント泊装備

印象など

美濃戸登山口から赤岳山荘まで
   雪上車に踏み固められた上にトレースがついており、歩きやすい。北沢は、南沢と
  比べると勾配が均一でなだらかなことも有り、重荷でもなんとか歩きつづけられる。
   歩き出してすぐに深澤・高田の超人二人組みが見えなくなったのは言うまでも無い。
   出発時からの降雪は山荘前に着くとますますひどくなってくる。テントを張ってさ
  あ宴会だ!と思ったら深澤・高田組は登攀準備をはじめた。石川も慌てて準備をし、
  深澤さんを先頭にして取付きの偵察に出発。

赤岳鉱泉から下部岩壁まで

 道筋など
   中山尾根に向かう一般道からの分岐点は「おや?」と思うくらい唐突に現れる。石
  川が先頭だったら、中山尾根の斜面をかなり登ってからでないと行き過ぎに気がつか
  なかっただろう。
  その先は明瞭な出会いを右に行くと、次の明瞭な出会いを分けるのが石尊稜末端。
 一般道からの分岐以外は初めてでも判りやすい。
   ガイドブックには複数の取付き口が示されているが、深澤・高田組はしばらく石尊
  稜の左側を登り、沢のドンズマリ少し下で鞍部から稜線に上がった。
   ここまでで偵察終了の予定だったはずだが、登り始めるともう止まらない。もう少
  し上でハーネス、ザイルを着けて下部岩壁へ向かう。
  深澤リードで岩壁の右側からトライするが、手がかりが乏しいなどのため左側の凹
 角に向かって再トライ。こっちも手がかり・残置支点が乏しく、かなり時間がかかっ
 ているが、凍った草着きに刺したピッケルを有力な手がかりとして登攀。高田・石川
 が続くがやはりてこずる。赤岳主稜とはえらい違いだ。

 ラッセル
  赤岳鉱泉から取付きまでは踏み跡が消えるほどの積雪で、進むのに時間がかかる。
 特に沢から稜線の鞍部に上がるまでの間は急斜面に深くてフカフカの雪のため、雪を
 崩す・ヒザで押し固める・足で踏み固める・登る(さらに石川の場合は息を整える)
 という話には聞いていたがやるのは初めてのラッセルとなった。
  という一方で、沢筋では、深澤さんはまるで踏み固めたトレースを歩くようなスピ
 ードで登ってしまい、高田さんがそれに続くが、石川はまるで追いつけない。いつも
 ながら唖然とさせられる。

その他

重い荷物:登攀具を持ってのテント泊。高田、深澤は慣れているようだが、石川は初め
 て25kg程の荷を担いでヒーヒー。深澤さんは5人用テントと食料全部、高田さんは
 日本酒一升とビール、ナベまで持っているのにいつもどおりのハイスピードで登って
 しまう。

酸欠:明け方息苦しくて目覚める。深澤さんがテントをたたいて外の雪を落とす音で気
 がつき、入り口の雪を払いのけると、すーっと息が楽になる。これ以降朝まで時々手
 を外に出して通気口を確保した。
  テントの内側が結露でビショビショになった上に、フライシートの縁がきれいに  
 雪で埋められてしまい完全密閉状態になっていたのだ。こんな簡単に酸欠になるとは
 本当に恐ろしい。深澤さん、外張りにも通気口がほしいですね。

宴会
 前夜:駐車場に着いたのが午前1時半頃で、テントにもぐりこむと既に2時近いにも
  かかわらず宴会開始。うまい刺身で盛り上がる。
 初日:焼肉、モヤシ、スパゲティー、ワイン、日本酒、高田さん御手製の絶妙な味の
  たくあんで大いに盛り上がった。明日は再トライだ。
 2日目:朝からひどい雪のため下山決定。ということで軽量化のため酒を腹に入れる。
  更に前夜残ったスパゲティーをバターで軽く炒めて豪華な朝食。


絶景
   2日目、下山のためテント撤収をはじめるころには青空がひろがった。ちょうど、
  大同心をはじめとする八ヶ岳稜線に絶妙の雲がかかり絶景。慌ててカメラを取り出し
  写真を撮る。はたしてうまく写ったか。