Kデンチャーの体験談

 初めてのKデンチャー  岡山県岡山市吉井  吉井川病院 歯科  谷 和彦
  平成13年の秋 とある歯科雑誌を見ていたところ紙面 にKデンチャーなる新しい考え方のデンチャー を発見しました。 田舎という事もあり、デンチャーの患者さんが多い私にとって、”柔らかい歯茎に硬 い入れ歯を入れる”ということに限界を感じていたころの事でした。 今までも患者さんの中にも”裏が柔らかいのがあればいいのになぁ〜”と言われる方 もいらっしゃいました。 素人考えでも入れ歯の裏が硬いのには無理があると痛感しているのに、プロである私 たちがどうしてそれを実現できないのか?そういった研究がされていないのか?ある 意味不思議でした。 今までも、FINデンチャーやブヨウ式デンチャーなど試してはみましたが、やはり 裏が硬い事には変わりなく患者さんの満足を得られるものではありませんでした。 (自分がこれらのデンチャーについて完全にマスターしているわけでなく、こう言う のは失礼かもしれませんが) シリコンを使うというKデンチャーの考え方に共感した私は早速小峰先生のホーム ページを拝見し、さらに問い合わせのメールをして、すこし不安を抱きながらも12月 2日の講習会に行く事にしました。 最終的に行こうと決めたのは小峰先生にメール等で丁寧に概要を教えて頂けたからで した。先生の熱意と自信を感じました。それにすがってみよう。そう感じたのです。 講習の当日を迎え、私はまだ不安がありました。Kデンチャーとはどんな物なのかも 知りませんでしたし、それがはたして自分で作れるのか?という不安もありました。 しかし講習会で初めて小峰先生にお会いし、お話しを伺うと、その非常にシンプルな デザインと作成方法に感銘を受けました。しかも先生の軽快な口調と明るい表情には 自信がみなぎっているのです。 ”こりゃあ岡山でも作ってみにゃあ、いけん!”(これは岡山でも作ってみなくては だめだ) 講習会を帰るころには目ぼしい患者さんをリストアップしてる自分がいました。 岡山に帰り、すぐに患者さんの了承をとりつけることに成功。 その時”入れ歯の裏が柔らかい”事に対する潜在的な需要はかなりあると確信しまし た。今までのようにいろいろと説明して、自費診療を薦める必要さえなく、”是非そ の入れ歯をつくってほしい!”とあっさりおっしゃって下さったのです。 その患者さんは70代の女性で、上下顎FULLデンチャーで下顎のデンチャーに痛み を感じている方でした。下顎骨は痩せて、調整しても調整しても、どんどんデン チャーが小さくなるばかりで最後には緩くなってしまい、またリベース・・そんな繰 り返しでした。痛みはひどくないがなくなる事もない。患者さんもストレスがあった ことと思います。そんな方に私の第一号Kデンチャーを作成する事になったのです。 専用のトレーを使い印象、バイトまで普通に作成。ここで一度メールにて小峰先生に チェックを受けました。GOサインが出たので、そのまま完成まで進めました。ここ までは全くと言っていいほど普通でした。 その後ソフトライナーにてリベースの繰り返し。既に全く患者さんは痛みもなく、” このままで十分です”というレベルまで約20日ほどでいっていました。ここではじ めて吸盤構造を作成。さらに維持がよくなった様な気がします。その後2週間ほど様 子を見て、痛みがない様だったのでついに生体シリコン加工を施すために郵送。後は 到着を待つのみ。何かはじめて通販で物を買った様な時のドキドキした気持ちで待つ 事約10日、ついに第一号Kデンチャーが完成したのです。 先生には”本当はもう少しアンダーカットに入れ込んだ方がいいですよ”と助言をい ただきました。しかし完成したものはそうでなくとも十分に維持がありペタッと” くっつく”感じがあるんです。下顎なのに”くっつく”んです。もう患者さんも私も 一緒になって大喜びでした。その後一度だけ調整に来られましたが、その後はまった く来院なしです。今まで1年ほど通いつめていた方だったのに。問題がないって事で しょう。 まだまだ、多くの事を学ばないとなりませんが、第一段階としてはすばらしく成功し たのではないかと思います。今後も積極的に講習会等に参加しこのすばらしい技術を マスターしたいと思います。 小峰先生やKデンチャー研究所の方々に感謝しております。