因縁に決着!デラホーヤがバルガスを11回TKO!

2002年9月14日、米国ラスベガス、マンダレイベイリゾートアンドカジノで行われたWBC・WBA世界S.ウェルター級王座統一戦はWBC王者のオスカー・デラホーヤがWBA王者のフェルナンド・バルガスを11回TKOに破り王座を統一した。互いに敵視する両者の拮抗した実力が激しくぶつかり合う好ファイトを最後に制したのはやはり「ゴールデンボーイ」だった。

2002年間最高試合か!?

ここ最近、期待のビッグマッチが予想外のワンサイドや凡戦に終わるケースが相次いだ。この試合に関しても期待とともにその懸念があったのだが、プライドをかけた両者は一歩も引かずに互いの勝利を追及しつづけた。結果としては予想通りデラホーヤの勝利だったが中盤までの展開はこの結末を予想させるものではなかった。二人のスターの攻防、せめぎあい、極限状態での壮絶な闘いは久々にボクシングの魅力を思い起こせてくれる見事なものだった。

恐るべし、バルガスの執念

フェロシアス(獰猛な)と形容されるバルガスの気合の入った顔つきはファイターと呼ぶにふさわしい。この試合も2回に右眼付近をカットしたものの流血しながらデラホーヤを猛烈に攻めたてるバルガスの勝利への執念は凄まじかった。左手を下げるデラホーヤに対してバルガスの右ストレートが伸びる。ショルダーブロックで対処するもそれを突き破り顔面へヒット。ハンサムなオスカーを鼻血まみれにして序盤はバルガスが好調な滑り出しだ。もしかしたらこのまま…と思わせたがさすがはデラホーヤ、シャープな左ジャブと巧みなステップワークで完全にはペースを渡さない。ただ5回まではややバルガス有利の展開が続いた。

やはり左フックがキーパンチ

6回デラホーヤの左フックがヒット、局面を打開するのはデラホーヤのまさに「黄金の左」だ。以前から思っていたのだが彼は多分左利きのはず。左フック、ジャブ、上下のコンビネーションは速く、鋭く、的確この上ない。終盤いったんは驚異的な粘りを見せるバルガスにてこずるも10回終了間際に左フックがバルガスのあごを揺らすと体もグニャリ…この時点でもはや勝負あり。続く11回それでも激しく抵抗するバルガスに狙い済ました左フックを肩越しにヒット、軽く打ったように見えたが凡人にはとても打ちこめないタイミングと角度のこの一打でとうとうバルガスはマットに沈んだ。それでも立ち上がったがすぐに連打にさらされ、試合終了。デラホーヤがアイク・クォーティ戦を甦らせるような激闘を制し千両役者ぶりを見せつけた。

バルガス再起は厳しい…

バルガスにとってこの敗戦は肉体的なダメージだけでなく、精神的にも大きい。罵倒しまくった仇敵に善戦したものの、最後はトリニダード戦と同じく滅多打ちにされてリングに寝かされた。プライドの高いバルガスにとってこれほどまでの屈辱は無いだろう。試合後薬物検査で陽性反応が出たという報道もあり、第一線に戻ってくるにはしばらくかかると思われる。が、トリニダード、デラホーヤとはワンランク違うということが露呈されここまでが限界という厳しい見方も…ただ彼の25歳という若さと、ハートの強さがこの逆境を克服することを期待したい。

次はホプキンス?モズリー?

敗者が奈落に突き落とされるのとは対照的に勝者のみに栄光と未来が授けられるのがボクシング。デラホーヤの今後はミドル級に上がりホプキンスに挑むのか?それともモズリーに雪辱か?後者の可能性のほうが高いだろう。フォレストに連敗したモズリーだがその圧倒的なスピードは驚異、デラホーヤが今のスタイルでどう立ち向かうか?さらにフォレストやライトもデラホーヤとやりたくて仕方ないだろう。なんだかんだいっても、やはりまだまだ主役はゴールデンボーイなのだ。

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