平泳ぎには危険がいっぱい!
今月は平泳ぎについてお話します。平泳ぎは他の種目と違い、水中から腕も脚も出ない独特な泳法です。
水の抵抗をフルに受ける為に体にも大きな負担がかかります。速く泳ぐ為には腕を力強く胸に引き付け
その勢いで呼吸をし、脚は大きく広げず膝を伸展しながら内股となるウィップキックが推奨されている
ようです。(競泳的平泳ぎ)
それでは、マスターズ世代の身体的構造変化はこの泳法に見合うものなのでしょうか?
年齢が進むにつれて骨・関節も同様に加齢的変化が起こってきます。日常で関節に痛みを感じて整形外科
を受診されている方も少なくないでしょう。脊椎は椎間板の変性が起こり、関節は軟骨変性が起こってきます
軟骨が変性すると潤滑油の生成能力が低下し、ぎしぎしした関節に変化します。
競泳的平泳ぎは、呼吸時に上半身の上下運動も含まれるので、脊椎や腰椎の過伸展が強制されます。また
ウィップキックは股関節、膝関節に大きな負担が掛かることが分かっています。こうした繰り返しの負担が
様々な関節に障害を起こす可能性があります。
長く楽しく泳ぐ事を目標にするマスターズスイマーの皆さんは、競泳的平泳ぎを安全な関節に負担の少ない
泳法に変えてゆく必要が有るでしょう。腕は水をなぞるように大きく掻き、呼吸時も勢いをつけづに水中から
顔を上げるようにしましょう。脚は所謂かえる足にして、内股にならないように広く蹴りだす事をお奨めします