小説に登場する河上肇


日本イデオロギー論 - 戸坂潤

現代日本の思想界と思想家
  -思想の資格に於ける唯物論の優越性に就いて

 併し最後に一つの問題が残る。思想は云うまでもなく思想家の思想だから、思想家個人の思想に特色さえあったら、たとえ何かの思想流を代表するものでなくても、之を有力な一思想と見るべきではないか、と云われるかも知れない。併し事実上そういうことはあり得ないのである。本当に代表的な思想家は、その思想の内に何か思想的な客観的メカニズムがあって、他の幾人かが必ず之を用いることから、おのずから一つの思想流をなすものなのだ。例えば両方とも故人ではあるが、左右田喜一郎博士の下には左右田学派の思想とも云うべきものがなり立ったが、福田徳三博士の影響下に果して福田学派の思想というものが出来ただろうか。私はこういう点から見て、思想家と思想家でないものとの形式的な区別をつけることが出来ると思う。河上肇博士は普通の意味では決して独創的な所謂思想家ではないが、マルクス主義を代表することによって多くの思想上の弟子を産んだことは周知の通りだ。博士はマルクス主義的思想家の代表的な一人であることを失わない。


 日本マルクス主義哲学史序説 岩崎充胤著 未来社


岩波書店 河上肇全集 198?年 月〜1986年5月


河上肇を紹介した著書
 
著書名 
著者
出版社
備考
日本の名著 49 河上肇 責任編集 住谷一彦 中央公論社  
近代日本思想体系 18 河上肇集 編集解説 内田義彦 筑摩書房  
現代日本思想体系 19 河上肇 編集解説 大内兵衛 筑摩書房  
人と思想 河上肇 著者 山田 洸 清水書院  
河上肇「貧乏物語の世界」 塩田庄兵衛 編 法律文化社  
新日本新書 433河上肇 塩田庄兵衛 著 新日本出版社  
河上肇(人物叢書85) 住谷悦治  吉川弘文館   
図書新聞双書 河上肇の人間像 天野敬太郎・野口務 編著 図書新聞社  
UP選書 河上肇 古田光 東京大学出版会  
求道の人・河上肇 住谷一彦 編 新評論  
不屈のマルクス主義者 河上肇 井上清 編著 現代評論社  
河上肇 学問と詩 杉原四郎・一海知義 新評論  
河上肇芸術と人生 杉原四郎・一海知義 新評論  
河上肇そして中国 一海知義 岩波書店  
河上肇 21世紀に生きる思想  加藤周一、井上ひさし、杉原四郎、一海知義  かもがわ出版   
河上肇 マルクス経済学にいたるまでの軌跡   小林漢二 法律文化社   
河上肇ノート
前川文夫
白地社


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