むすび 全国金属の性格と役割
金国金属の組織の性格 全国金属は金属労働組合のなかで、唯一の産業別単一の組合であり、すべて
の金属労働者に門戸を解放している組織である。大会の決定や活動には、す
べての組合員が参加できる権利と義務を規約上に定めている。また決定され
た方針は、他の産業の労働者との関連のなかで、すべての金属労働者の利益を代表すること
を基本としている。
全国金属の綱領、行動綱領、規約、運動方針や決定にしたがって、地方本部、支部などの
各級組織はその地方、支部の実情のうえに立って、これを具体化し、また個有の問題につい
ての自らの方針をきめなければならない。指導部の任務は、金属労働者をとりまく条件およ
び闘争に必要なことがらを決定することである。すなわち、正しい方針をたて、決定された
ことを闘争に組織することである。
組合員と労働者の大衆運動に基礎をおいた全国金属の活動は、ひたすら労働者の利益擁護
をめざすものである。だから全国金属の闘いには労働者の積極的な支持と、労働者らの参
加をえることができるし、それなしには闘いは発展しない。労働組合民主主義はそのために
欠くことのできないことがらであり、団結の強化と指導性を高める保証である。
全国金属は、この組合民主主義を日常活動の原則としている。たとえば、組織、調査、教
宣、財政などの専門部活動、健康と生命を守るための労働安全衛生委員会などの組織に大衆
参加を求めているし、各職場、各部門、各階層の組合員の不平、不満、諸要求が組合の各級
機関に正しく反映されるよう配慮している。
幹部・活動家の任務 指導部は、組合員が活動に参加するという権利を十分保障するなかで、中心
要求と独自要求を起草することを、重視しなければならない。また、これを
実現するためには、経験ある多くの活動家が必要とされている。指導部と活
動家は、(1)金属労働者をとりまく条件、(2)闘争に必要な諸問題、(3)正しい判断の仕方を知る
ことにつとめ、すぐれた方針、組織、調査、宣伝によって活動をいきいきしたものにし、階
級的・大衆的活動にしなければならない。各級機関の指導部、書記は、方針にしたがって、
権限と義務をもってその組織の日常活動の執行にあたり、組合員に責任をもち、奉仕するこ
とを任務としている。指導部の役割は階級闘争の発展と組合組織を改善・拡大していくこと
に貢献することが基本である。それだけに、闘争を発展強化させ、労働者階級全体の共通要
求−生活水準の引上げ、民主主義、平和−を勝ちとるための指導部の役割は階級闘争と労働
組合の発展につれてたえず増大しつつある。全国金属は中央、地方、経営での金属労働者の
統一行動の中核的な役割をにない、その影響力を拡大していかねばならない。さらに反独占
の統一行動の方向を強めるために、積極的な提言と役割を、日本労働運動のなかで果してい
くことが、きわめて大切である。
階級的統一をめざして 国家と独占資本とのゆ着がすすむなかでは、労働者は組織の違いをこえた広
い共同行動をとって闘う以外に勝利の方法はない。また、資本主義の全般的
危機の深化につれて、独占資本はより狂暴に労働者に攻撃をかけてくる。そ
れは賃上げ抑制、所得政策、社会保障の改悪、司法の反動化、第四次防の性格と規模などの
政策をみても明らかである。個々の経営者は、それぞれの産業部門の闘争にたいして、全資
本家階級、政府と共同して逆襲をかけてきている。それとまったく同じように、全労働者階
級が団結し共同行動をとることが、労働者の生活権と人間的生存権を守るという共通の利益
にかなうのであり、さらに国家権力にたいして、労働者階級と勤労国民の要求と政策を受け
入れさせるための影響力を勝ちとる力となる。これは緊急の課題となっており、階級的労働
戦線の全的組織統一の必要がせまられてきているのである。
日本の労働運動はさまざまな曲折をへながらも、全般的な傾向としては階級協調路線と決
別して、階級闘争路線へと大きく転換しようとしている。この方向をくいとめようとする策
動を成功させる保証は、客観的には見いだせない。ただ今日の労働戦線は細分化させられ、
さまざまな潮流の労働組合に分裂させられている。これを階級的に統一する事業は容易では
ない。それだけに、ねばりづよい努力と大きな忍耐とをもって、切実な労働者の具体的要求
を基礎に行動の統一を積み重ね、この過程のなかで階級的に自覚した指導者と活動家は、全
力をそそいで組織統一への障害をひとつひとつ取り除いていくことを、自らの義務として受
けとめなければならない。これを抜きにして、労働者の統一を提唱する資格はない。
経営を基礎とした組織強化 問題は、日本の労働組合の組織基盤が企業別組合であり、さらに企業別達
合を基礎にして産業別組織が構成されており、その上に総評も同盟もゆる
やかな全国的連合組織を構成しているという実態である。したがって、企
業別組織からの脱皮がなによりも急務なのである。とくにいま独占体の基本的ねらいが、そ
の傘下の組合と関連企業の組合をふくめた会社組合の連合もしくは単一をめざし、産業別組
織を形骸化しようとするところにあることを重視し、地域組織を強め、これを基礎に真の産
業別組織の機能と力量を高めることが、なによりも大切である。
経営者と政府が共同して労働組合に攻撃をかけている現在、経営者との日常闘争と同時に
全産業的に闘争を強め、各産業別組織間の連携を強めることがますます重要になってきてい
る。したがって、経営内での運動もこの点をぬきにしては考えられない。
このように経営内は搾取する者と搾取される者とが直接対立するなかで闘っている場所で
ある。だからとくに経営内の労働組合の自由と権利の拡大をめざす日常闘争が、きわめて重
要である。組合が経営内で必要な掲示をする権利、組合の出版物を配布する権利、時間内に
集会を開き、組合活動を行う自由、会社施設を利用する権利、ストライキ権を完全に確保す
ることがたいせつである。
全国金属は一九六八年の第二〇回定期大会で「職場にとりでを、地域に共闘を、全金属労
働戦線に行動の統一を」のスローガンをうちだした。その後一〇年近くを経た現在でもこの
スローガンはすこしも古くさくなってはいない。日本の労働組合運動が、反独占国民春闘を、
その名にふさわしい壮大な統一行動をもって闘いぬき、政治、経済、社会の民主的変革を実
現する課題をはっきりと自覚しはじめた今、それはますます力強いひびきをもって、全国金
属の組合員、活動家の合い言葉となっているのである。
目次 学習のはじめに
第一課
第二課
第三課
第四課
第五課
第六課
第七課
第八課
第九課
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