ACONCAGUA 1992〜93

2アコンカグアの概要

 アコンカグア山 (Cerro.Aconcagua) は、南緯32度39分、西経70度01分、アルゼンチンの西部、
メンドーサ州にあり、チリとの国境から東方約12qに位置する。アンデス山脈の最高峰、南米大陸、
西半球の最高峰で、標高は6,959mである。
 アコンカグア山は、アンデス隆起帯上に噴出した火山体であるが、火口はなく、噴火記録もない。
周辺の5,000m級の群山を抜いて独立峰的にそびえている。山頂部は、長さが1qの吊り尾根で主峰
(北峰)と南峰(6,930m)がむすばれている。西面と北面は西からの強風のため、ほとんど雪はつけ
ないが、風下の東面と南面には多い。北面は比較的緩やかであるが、南面は頂上から懸垂氷河と岩
壁が垂直に落ち込む高さ3,000mの絶壁(南壁)となる。角閃石安山岩や崩れやすい礫岩からなる。
 南方のラス-クエバス川(下流はメンドサ川)の谷間を通る国際鉄道(サン-マルティン鉄道)のプエンテ-デル-インカ駅(2719m)
が通常の登山口となる。この駅から北方のオルコネス谷を遡り、谷筋伝いに南面から西面へ、さら
に北面へ回り込んで北斜面を登るのが一般ルート。この谷はアコンカグア山の北西にある上部オル
コネス氷河から落ち、谷の途中で南壁から流下する下部オルコネス氷河が合流する。上部オルコネ
ス氷河の舌端左岸のモレーンの台地プラサ-デ-ムーラス(4230m)に小屋があり、ここが通常のベースキャン
プ地。100m下方にはアルゼンチン山岳警備隊のパトロール基地もある。台地の東側は比高3,000mに
近い、横縞の走る赤茶けた色のアコンカグア西壁となる。北方には上部オルコネス氷河の上にマッ
ターホルン型のクエルノ山がある。プラサ-デ-ムーラス(4230m)と頂上の間に3カ所(5,400m,5,850m,6,480m)
の避難小屋がある。北斜面から最後は西側に回り込むのがルートであるが、最後の200mのスーパー・
カナレーターと呼ばれる大クーロアールが最大の難所。傾斜約40度、浮き石と堅雪の幅の広いガレ場
で、ここで撃退される登山者は多い。


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